図書館♪

□第三話 新たな刺客
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「はぁぁあっ!!」

ザシュッ

『グァァアッ……!』

カランッ

「よっし♪」


あれからアイルとアンナは魔物狩りをしていた。



「はぁっ!」

ザンッ

『ギャァァッ!!』

「完了」

「何だか今日は魔物が多いねー……」

「!!アイル、後ろ!」

アイルがそう呑気に呟いている時、アンナが叫んだ。

「わっ!?」

アイルが慌てて鎌を振るうと、後ろに居た魔物に鎌鼬が直撃した。

「あっぶなぁ……」

カランッ

「……アイル」

「…分かってるよ。
一応これでも警戒してるんだからさ」

「………フッ……」

アンナが不敵に微笑む。
そう。さっきから、妙な気配を感じる。
つまり、さっきから私たちをつけている者が居るという事。
アイルがアンナと背中合わせになる。

「この国の人じゃないね………。」

「えぇ。気配が違うもの」

アイルが小さく問い掛けるとアンナが小さく答えた。

「…何の用かしらね」

「……何もしてこないって事は何もする気がないのかな?」

「……そうとも思えないわね。
こっちから出向きましょうか?」

「だね。でもその前に質問」

「……何?」

アイルがアンナに問い掛ける。

「この魔物が多いの、その人がやってると思う??」

「……どうとも言えないわね」

アンナが正直に答えた。
アイルは目を伏せ、言った。

「やっぱりそうだよね」

「分かってるなら聞かないでよ」

「ごめんごめん」

ダッ


ダンッ!!

ヒュッ

二人が同時に茂み、しかも同じ場所に鎌鼬を飛ばす。
その瞬間、茂みから黒い影が出てきた。

「貴女は何?」

「私達に何か用なわけ?」

二人が不満そうな顔をして黒い影を見る。

「……へぇ……。
ちょっとはやるじゃん」

「「!」」

黒い影が言った。
その声は幼い、無邪気な少女のような声。
だが、雰囲気は明らかに違う。
冷たい、残酷そうな雰囲気で、声とは正反対。
それに………

「……殺気……」

「…………」

殺気が出ている。
まがまがしい殺気が。

「………貴女は……何?」

アイルが再度、同じ質問をした。
黒い影が振り返る。

「……人に名を名乗る時は己から。
これ礼儀だよ??♪」

「!」

「……」

振り返った少女は、赤い髪のロングヘアー。
瞳は漆黒で、上は肩を剥き出しにした黒い衣装。
下は上と同じ黒い半ズボン。白い脚がすらりと伸びている。
顔は衣装とは違い、幼い少女。

「……そんなの聞いた事ないわ」

「……あ。そっか。此処は‘ルーラ国’じゃないんだっけ。」

「……ルーラ国…?」

アンナが冷たく言うと少女は思い出したように「ルーラ国」と言う名を口に出した。

「そう。此処から遥かに遠い国♪
ルーラ国では、「名前は短い呪」だから、簡単に名乗っちゃいけないんだ♪」

「……名前が……短い呪……?」

「うん」
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