図書館♪

□第四話〜任務〜
1ページ/3ページ






「任務……?」

「だって魔物狩りが…」

「それはもういいわ」

アイルとアンナが口々に言うが、ルーンは否定した。

「……貴女達がやる事は一つ」

「……あの子の……」

「……抹殺でしょう?」

ルーンの言葉をレンとイルが引き取る。

「……その通り。
あの子は恐らく、私たちの国、セイルーン国を滅ぼす程の力を持っている。
何としても阻止するのよ」

「「了解」」

「……抹殺…殺すの…?」

「……………」

アイルが恐る恐る聞く。
アンナは無言だが、態度で示していた。

「……そうよ?何か躊躇でも??」

「「………っ………」」

アイルとアンナが戸惑いの表情を浮かべた。

「………躊躇いがあるのね」

ルーンが鋭く二人を睨む。
レンとイルが驚きの表情で二人を振り返る。

「………戸惑いがあるの…?」

「……意外……」

そしてアイルとアンナは皆を見る。

「……私たちは…」

「………殺す為に此処に居るんじゃない!」

言い放つ。

ルーンが二人を見て目を細める。

「……これが神官からの命令だとしても?」

「……っ」

「……えぇ」

アイルは目を逸らしたが、アンナはハッキリ断った。

「……愚か者!
神官の命令は絶対という事を忘れてはいないだろうなっ!?」

「忘れてなんかないっ!」

「いくら神官様の命令だろうと、殺しは出来ません」

ルーンが声を荒くし、アイルとアンナは怒鳴り返す。

「魔物ならいくらでも狩れます!
でも…………」

「もういい!
お前達は今後、私の前に現れる事を禁ずる!!
二度とその顔を見せるなっ!!」

「…………」

「…上等っ!!
殺す位ならそっちの方がまだマシッ!!」

アンナが沈黙、アイルは叫び返す。



ザンッ!!!









「「!!」」



バッ!

ザシュッ!










「アイル!」

「アンナ!」

話が終わったかと思うと、ルーンが風の刃をアイルとアンナに放った。

二人は思わぬ攻撃に反応が遅れ、避けきれず、アンナは腕を、アイルは肩を切り付けられた。

その瞬間、鮮血が飛び散る。
レンとイルが真っ青になって叫んだ。

「くっ………」

「なっ…!」


クラッ………

ドサァッ

「……アイル……っ!」

アイルは肩を押さえ、崩れ落ちた。

アンナは苦痛の表情でアイルを見る。

「……っ………」

ぺたん……

アンナも耐え切れず、座り込む。

「神官様!
これは規則違反ですっ!!」

「……黙れ」

「「ーっ!」」

レンはルーンに叫ぶが、殺気を放たれ、イルと共に黙り込む。

「……私の命令に逆らったの。この位は当然でしょう」

ルーンの口調は淡々としていた。

「……ですがっ…!」

「くっ………」

「「!!」」

アイルが肩を押さえ、起き上がった。

「アイ………」

「このっ…!
思い通りに行かないからって……!!」

アイルが強い目付きでルーンを見上げる。

「……まだそんな目付きが出来るの?」

「……生憎、こういう性格なんでね」

ルーンが冷めた目でアイルを見下ろす。

アイルは不敵に微笑み言う。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ