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□7.夢を見るから儚い
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7.夢を見るから儚い









慌てて武器であるクリマタクトを拾い上げ、ナミはサンジに手を引かれるままに倉庫内を走った。

入り口からさらに奥に入ると、乱雑に積み上げられる木箱の山や、ダンボールが積まれる簡素な棚があり、ロッカーのような鉄製の、ちょうど人一人が立ったまま入れそうなスペースに無理やり入ったサンジに、無理やり後ろから抱きすくめられて扉を閉められた。

狭い。狭すぎる。

無理よ、とタクトに縋りながら身を小さくしてナミが言うと、サンジはしっ、と口に指を当てた。

バタバタと人が倉庫に入って来る気配がした。

サンジの言った通り、20人ほどの男たちが雪崩れ込み、男たちやボンテージの女が黒こげになって倒れているのを発見する。


(ちょっと、あんたみたいに気配がわかる奴がいたらどうするのよ!)

(そしたら俺倒すし。全然瞬殺だし。)

(じゃあ何で隠れるのよ!バカ!)

(バレない方が何かといいって。それより静かにしないと見つかっちゃうよ?)

言われてバッと口を押さえるナミ。

海兵は通報を聞いているから、黒足を探せと倉庫内をあらためている。

戦わずに済んで隠れているのは安心するが、見つからないかとヒヤヒヤするのは別の意味で心臓に悪い。

ナミは細い空気穴から外を伺って、祈るように手を組んでいる。

どうかこっちへ来ませんように...!

すると、しっかりと抱えていたクリマタクトが足の間にするりと触れた。

(...なに!?)

(いや、邪魔かなーって)

火をつけずにタバコを咥えている男は何を考えているのか。

狭い中でもぞもぞ動くので、棒が足の間に入ってしまって、変なところに当たった。

焦れば焦るほど、棒が股に食い込む。
武器をどけてやろうとナミの上からタクトを引くサンジの手と、足を外そうとする自分とで更に擦られてしまう。

(いいから!動かないで!じっとして!)

(ナミさんどーしたの?)

「ぁん...!!」



「なんだ?音がしたぞ。」


近くまで来た海兵が、周辺を見渡す。

ナミは急いで口を塞いだが、棒が足の間でまだ擦れていた。
偶然にも良いところに当たってしまって、必死に声を抑える。

動くなと言ったのに。

半分パニックになりながら、どうにか棒から逃れようと身をよじる。

(ぁ、う、動かないで...!)

(ナミさん、いやらしい。)


バッと真っ赤になって後ろを見る。

にやりと余裕で笑うサンジが至近距離にいて、まさか、と思う。

まさか、すべて計算....!?
本当にこの男、ナニを考えているの!?

ひどい。まだ心の準備もできてないのに、体のスイッチが入ってしまった。
バレるかも知れない緊張感で、感じたことのない快楽の波が押し寄せてしまう。

(だ、だめ.....)

(ほんとに?)

耳元でほとんど息で囁いて、ぞくぞくと悪寒が走った。

抱きすくめる手が顎に伸びて、顔を向かせられる。

相手に合わすだけではない、こういうところもサンジらしいと思ってしまって、唇を合わす度に思考を奪われた。

すぐ外で海兵が靴音を響かせているのに、サンジの手が後ろから胸に伸びて来て、下では水音を響かせる。

尋常の濡れ方ではない。

この状況に、体が悦んでしまっている。

胸を弄られながら、ナミは声を出さないようにすることだけで精一杯だった。
他には何も考えられず、声を出さない、これだけがきつく瞑った目の中で思うことだった。

(ナミさんが人質になった時の顔、すごいいやらしかった。)

あの光景だけで3年はオカズにできそうな気がする。
サンジが息で囁いてきた。

(あんなやらしい姿見せられて、我慢できる奴なんていねェよ。)

(ぁ、ぁ、この、へんたい....)

(可愛いすぎてやばかった。)

こいつ、こう見えてSだ。
ドSだ。
サンジのSはドSのS。


こんなところで、こんな密着して、お尻に硬いのをずっと感じ続けて、おかしくなりそうだ。

いれて欲しい。
はやく。
こんなので放っておかれたら、頭がおかしくなってしまう。

体が勝手に腰を動かして、ナミはお尻でサンジを擦った。

もう愛しくて愛しくて、サンジは自身を剥き出しにして、ナミのパンツを横にずらして腰を進めた。

ロッカーで獣のように荒い息をする2人は、揺らさないように極限まで気を使いながら温かい中をこすり上げた。

カタリと音がして、海兵がこっちを見ているのに、サンジはゆっくりと動いた。

ナミは隙間から外を見て、手できつくきつく口を塞ぐ。

色んなものがごちゃまぜになって、自分がぐちゅぐちゅになっているのがわかる。

水音さえ、聞こえているのではないかと怯えて、でも快楽が欲しくて貪って。


もう少しで海兵がロッカーに手を掛けようかと言う時、黒足を外で捜索すると号令がかかり、救急の搬送も終わった倉庫には誰もいなくなった。


ガチャン!と音を立ててロッカーから転がり出たサンジは、四つん這いになったナミを突き続けた。

「ぁっ、あっ、あっ!サンジく、も、だめ...っ!!」

「ナミさん、おれも、イく....!!」

「ああんっ、ぅあ、ああっっ!!」


ドサッと2人は床に倒れこんで、酸素を欲して大きく息をした。

荒い息で汗もかいて、四肢を投げ出す2人は服も乱れぐちゃぐちゃだ。
一緒に飛び出てきたクリマタクトだって濡れて光って、もう恥ずかしくて顔から火が出そう。


「もー!あり得ない。全部計算だったのね」

「ハハ、ナミさんエロかったー。」

「うるさい!舌引っこ抜くわよ。」

あー、これだ。
いつものナミさんだ。
よかった。

急ぐこともしない。
急かすこともしない。

誰を選んでもいいよ。
君の幸せが俺の幸せだから。




....エロいことは、したけど













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