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□ペンギンの受難リターンズ
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8.ペンギンの受難リターンズ








勢いよく扉を開けたナミは、勝手のわからない潜水艦の中を猛ダッシュした。

もう嫌だ。
そして、何より体が熱い。

何か本当にクスリを盛られたのだ。
ひどすぎる。
その割に、目的は達成されていないようだけれど。

ザマアミロとナミは思った。
もはや正常な判断ができる状態ではなかったが、ローを好きだと自覚するよりは憎んでいた方がいくらかマシだったので、思考は斜め上のまま放置された。

あまりに体が熱いので、息も絶え絶えに適当な船室に入った。
人の気配はなく、クルーの部屋のようで、二段ベッドが向かい合って並べられている。
イスがあればよかったが、ないので勝手にベッドに腰掛けた。

ハァ、ハァと荒い息をして、ベッドに倒れこむ。
あの漢方が抜けるのを待とう。
体に害がないということを信じるしかない。

でも、体の芯が疼く。

疼きを我慢しながら、ナミは目を閉じていた。

すると、ベッドの主が現れたのだった。

「........ナミ?」

ペンギンは頭を抱えた。
ちょっと忘れ物を取りに来たら、ナミが寝ていた。

まだ熱が下がってないのか?
頬は上気して、息も荒い。
船長が夜通し看病したそうだが、何故今ここに?
昨日バラバラにされた体を皆に笑われながらやっと元に戻したのに、またバラバラにされるのか?

「あ.....ペンギン.....」

ナミが薄く目を開けてこちらを見る。
なんと言うか....エロい。
しかも、ハァハァと息も荒い。

「お前、どうしてここに。風邪は治ってないのか?病室に戻った方がいいんじゃ....」

「ローがっ、変なクスリを飲ませたのっ...」

ナミが喘ぐ。
上手くしゃべれないのか口元に指を当てるのが更に扇情的だ。

「それでっ...逃げたのっ...弄ばれるのなんかゴメンだから....っ、ハァ、どうしたら薬、抜ける?体が、すごく熱いの....っ...」

これは、よくない。
少しは医学をかじるハートのクルーは思う。
医学的にはただの漢方だろうが、これはもう媚薬の域だ。
ペンギンは焦って考えて、水を、と言った。

「水飲めるか?体内で薄めた方がいい。これ、飲めるか。」

自分の持っていたボトルを差し出す。

ナミは起き上がるのも億劫そうで、支えようと肩を触ると、びくりとした。

「....ぁん....!!」

ペンギンは真っ赤になって手を上にやった。

「ダメっ、触られると...奥が気持ちイイの....っ。助けて....」

助けてもなにも。
こんなものを見せ続けられたら、自分もおかしくなってしまう。

でも、縋るナミの力になりたいと思う。


ペンギンは自分の口に水を含んでナミに口づけた。

ナミは驚いたが薬をどうにかしようと一生懸命な様子で水を飲んだ。

何度かそうして溢れた水が顎を伝ったので、ぴったりと唇と唇を合わせると溢れる事なく飲み込むことができた。

それを繰り返してボトルが空になると、ナミは喉をごくんと言わせて自分の唇を舐めた。

「......ましになったか?」

「うん....もう、ないの?」

「ワインなら」

「ワインはダメでしょ。」

「シャチのビール、ベポのジュース。」

「ふふっ」

笑ったナミに、ペンギンは空のボトルを逆さにして何滴かの水を含み、また口づけた。

かわいかった。好きだと思った。
またバラバラにされるかもしれないけど。

「んぅ、ん....」

もうほとんど水はないので、代わりに舌を絡めた。
唾液を交換して、真っ赤になったナミを組み敷いて。

こんなところに寝ていたのが悪い。
ここは自分の寝床で、自分は健康な男で、気になる女を据え膳のように置かれて。

と言うかそんな薬を女に盛って放って置くなんて、どういう神経してるんだ?

こんな男しかいない船上で、見つけたのが自分でなければどうなっていたか。
いや、その自分ももう歯止めがきかないので言っても詮無いことだ。
虚しいとか悔しい以前に、この猫は魅力的過ぎる。

「ナミ、お前が嫌なら.....」

何もしない、と言おうとすると、ナミはふるふると首を横に振った。

体が熱い。疼きを止めてもらわないと、もうどうにかなってしまいそう。

「ペンギン、お願い、して。私を抱いてくれる...?....嫌じゃ、なければだけど....」



その言葉に、ピンと来た。


船長は、抱けなかったんじゃないか。
薬で判断力を奪ったナミを。
心が欲しいから、この状態で手を出すことがどうしてもできなかったのでは。


「嫌なわけない....」

けれど、このナミを傷つけることだって、したくない。

ペンギンが覆い被さるとナミはせがむ様に唇を啄ばんで来て、ペンギンの手を自分の胸に押し付けた。

触られた瞬間電気が走って、凄まじい快感がナミを襲う。

「ぁあんっ!」

恥ずかしいのに、もっともっとと求めてしまう。

体の奥が疼いて疼いて、一刻も早く挿れて欲しいと思ってしまっている。

つなぎの上から硬いものに触れて、弄る。

いつの間にか自分はほとんど裸に剥かれていて、胸を吸われると、ニャーニャー声が出た。

その声にナミを抱き上げて、船室のドアを足で蹴って閉めた。

ナミには余裕は全くなくて、もうされるがままになってしまった。

ペンギンの手つきは優しく、上手かった。

キスしながら下半身を触ると、下着はびしょびしょで芽の位置もはっきりわかるほどだ。

つーと指でなぞるとぎゅっと自分に縋って震えている。

興奮で頭がおかしくなりそうになりながら、がばっとつなぎを脱ぎ、濡れに濡れた場所に自身を当てがった。

「あっ、あぁ...っ!」

ゆっくりと入って来ると、もう待ちきれなくて腰が動いた。
はしたない、いやらしいことだとわかっているのに、勝手に動くのが止められない。

「うぁ、ナミ、動くな....っ」

「ぁんっ、違うの、勝手に....」

こんなのまるで娼婦になったようだ。

羞恥でいっぱいなのに、体は快感を得ることだけのために存在していて、奥へ奥へと誘っている。

「ペンギ....ぁあっ!いく、いく、いっちゃう....!」

「何度でもいけよ。気持ちよくなれ。」

「ふぁ、ぅああんっ!」

びくびくびく!と体が震えて、中では子宮が痙攣したのすらわかった。

「あっ、ダメ、今いっ....動かないで...!」

「お前のそんな顔見せられて、我慢できるか.....っ」

「ぁぁっ、また....っ!」

「....っ、」

「いく、いい.....っ!」

何度も絶頂を迎えさせられて、ペンギンの体に縋る。

体位を変える度に色んなところが気持ちよくて、あらん限りの力で男にしがみついた。

やがて外に白濁を吐き出すと、ナミも同時に達して気絶するように眠った。


ナミのマタタビは、ようやく切れたようだった。









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