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□21.細胞ひとつさえ
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21.細胞ひとつ










ローの部屋に入ると、胸がドキドキした。

ナミは手をつないで艦内を降りて行くローの背中を見ていた。

これから、どうなるんだろう。

どうしよう。

パタンと扉が閉まる音がして、ナミはびくりと肩を震わせた。

どうしよう、私緊張してる。


「なんで、眠れなかったの...?」

沈黙が怖くて精一杯話題を探した。

ローは質問の答えをしばらく考えて、正直に話すことにしたらしかった。

「お前とキスする夢を見てたら起きちまった。どうやら正夢だったようだな。」

言いながらぐぐぐとナミに迫って来る。
ナミは緊張とその答えに動揺し過ぎてローの体を突っぱねる。

「な、なにそれ...っ、どんなけキスしたいのよ...!」

「お前が他の男としたのが悪い。俺にさせない気か。」

「...やっ、恥ずかしい.....っ!」

ナミが真っ赤になって言うと、迫り続けていた体が退いた。

あ、と思った。
嫌と言ったからだ。

ローはどこか悲しそうで、寂しそうで、一見表情は変わらないのに暗雲を背負って落ち込んでいた。

ナミは慌ててローの腰の辺りに抱きつくと、言った。

「あっ、あのね、ロー。聞いて。」

耳まで真っ赤になりながら、言葉を選ぶ。

「わたし、多分今から....っ、イヤとかやめてとかダメとかいっぱい言うと思うんだけど....っ。本当に、嫌な訳じゃないの。好きだから、恥ずかしいから、言ってしまうだけなの。だから....私が嫌って言っても、やめないで。続けて欲しい。」

この生真面目には、このように言わないとだめなのだ。

返事がないので恐る恐る見上げると、目が合った途端、ベッドに放り投げられた。

「お前、そんな顔でそんなこと言ったら、もう止められねぇぞ。」

「うん、いい....ロー大好き。」

頭の中で糸が何本も切れて、ローは唇にかぶりついた。

想像していたよりもはるかに柔らかい唇を獣のように堪能して、余裕のないキスをする。

「んっ、ぁ、はぁ...、ろぉ...」

「ナミ....っ」

やっと自分のものになった。

あの横顔を見たときから、ずっと手に入れたかったものが。

それだけで心は満たされたはずなのに、人間は貪欲で、もっともっと、自分の中心でナミを感じたいと思ってしまう。

同じように、思って欲しいと思ってしまう。

口の中で触れないところがないほど、隅々まで舌を這わせた。
お互いを絡ませて味わって、頭が痺れてくる。
唇が濡れててらてらと光る。
啄ばんで引っ張って、柔らかさを愉しんで。

上着を脱がせて恐る恐る胸に触れた。
重量があるのに柔らかいそれを揉んで、ナミの声を聞いた。

「あっ、ぃやっ.....んんっ....!」

ちゃんとやめずに、先を指先でいじくる。
何秒と経たずに先は硬くなって、両胸をいじると嬌声はより大きくなった。

「ぁあっ....きもち..ぃ....っ!!」

我慢できずに胸元をはだけさせて吸いついた。
舐めて噛んで転がして、その度に声が上がるのを満足して聞いた。

「やっ....それダメ....っ」

「ダメじゃねェんだろ?」

ローの言葉に羞恥が増すのがわかった。

頬も体のどこもかしこも上気していて、目が潤む。

気持ちが通うセックスは、もうこんなに気持ちがいい。

ナミは目を潤ませたままローの足を撫でた。
体を起こしてキスをする。

「私も、してあげる....」

ローを脱がせて首筋に噛みつく。
ペロペロと舐められると全身に快感が走った。
そのまま下にさがってきて、ナミがこちらを見ながら胸を舐めた。

「気持ちいい....?」

「ん.....」

「かわいい」

オレンジの髪が目の前でフワフワ動くのに感動した。
頭を抱きしめて胸板にナミを抑えつけた。

ナミは目だけを上にあげて、言った。

「心臓の音が聞こえるね。」

目を閉じてローの背中に腕を回す。

「大好きよ、ロー。この音も、肌も、真面目なところも、あんたの細胞ひとつ、全部好きよ。」


ローは体が熱くて、心が温かくて、堪らなくなってナミをまたベッドに転がした。


「もう。ここも、してあげようと思ったのに...」

ナミが股間を指差す。

「それはもう持たん。」


ローはナミにキスをして太ももに手をやった。

滑らかな肌を滑って足の間に手を差し入れると、驚くほど濡れていて、ひと撫でしただけで悲鳴が上がった。

「やっ...!何してるの....っ!?」

ローが足の間に顔を寄せると、ナミが両手でそれをガードした。

「ぃゃあ....恥ずかしい...!!だめっ」

「....っ、やめない約束だからな...」

「ふぁぁ....っ!!」

こんなに既に濡れているのに、更に奉仕されて、頭がおかしくなりそう。

私を気持ち良くさせるためだけに、ローの舌が、指が、芯に触れてくる。

だんだんと、腰が浮いて、早く欲しくて、欲しくて堪らなくなってくる。

「ろ、もぅ、挿れて....っ!欲しいっ、欲しい、ロー」


泣いて縋って来るナミにキスをして、腰を当てがった。

ぬるぬるとした肌に触れるだけで気持ちよくて、暴発しないだろうかと変な不安が頭をよぎる。
ただでさえ興奮で頭がおかしくなっているのに、これ以上の快感に自分は耐えられるのかと。

「ああっ!!」

中に入ると気持ちが良すぎて脳が引きずり出されそうだった。

ゆっくりしても速くしても、既にもう限界が近い。

「....ナミ.....っ」

ローが堪らずナミの体を抱え上げると、座って向き合う形になり、胸がどーんと目の前に来るのでこれはこれですばらしいと思う。

「ぅあん!これ、スゴ....ぃっ、奥に当たって....!」

嬌声が大きくなったので腰に手を回して胸の先を吸った。

「ぁあっ!!ローだめっ!」

勝手に腰が動いてしまう。
ローは試しに、ナミの耳を甘噛みした。
耳が弱いのではなかったか、と快感の中で朧げに思う。

「ひぁっ!!!いっ、ぃく....っ!ぁあん!」

しがみつくようにローに強く抱きついて、水から出た魚のように息ができずにナミは口をパクパクさせた。


ローは細い腰を持って更に下から突き上げ、自分が下になったり重なってキスをしたりした。

その間ナミは何度もいって、イヤとかダメとか言われ続けたが、聞かない約束なのでローは攻め続けた。

「ナミ俺も、もう...」

「あん、ぅぁ、うん....っ」


ベッドに寝転ばせた身体に被さり、両手を絡ませてキスをする。



「あっ、またいっちゃ...もう...!ダメ...っ!んんっ....」

唇を塞いで、同時に達した。
膣の痙攣は自分のせいか、ナミのせいかもうよくわからない。

時計は早朝を指していて、遠くに鳥の鳴き声が聞こえた。




本当に人を愛すると、色んなことを学ぶ。

世界がこんなに優しいと言うことも、こんなに気持ちいいことがあることも、女の言う嫌、は額面通りではないことも。









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