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□24.おまけ ペンギンの生態
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24.おまけ ペンギンの生態





「ん.......」

横で身を捩る気配がして、ペンギンは目を覚ました。

え?
ここはどこだ?

「んん〜」

自分の首に温かく細い腕が回された。
横にはナミが規則正しい寝息を立てていて、ペンギンは寝起きだと言うのに心臓をバクバクさせた。
急激に血圧が上がる。


部屋は見覚えのない、おそらく麦わらの船の、彼女の部屋だと思われた。

鼻腔に心地よい香りが充満している。
ナミの肌の匂い。
体が熱くなる香り。

幸せに混乱する頭で一生懸命なぜここにいるのかを考えていると、ナミがまたもぞりと動いた。

大きな目をぱちりと開けてこちらを見る。

「....起きてたの?」

自分の希望を差し引いても、ナミは幸せそうに笑っていて、首から下至るところにある鬱血の跡はきっと自分がしでかしたんだと理解した。

「....夢じゃないよな....」

「ふふ、夢じゃないわよ。昨日は激しかったわ。」

ナミは甘えるようにペンギンの耳を噛んだ。

そのまま頬にキスをして、覆い被さって唇を唇で挟む。
何も着ていない肌と肌が触れて現実をかみしめた。


本当に....俺のものになったのか。


長い夢を見ていた気がする。

つないだ手を離さなかったあの日、ナミは自分の女だと仲間たちに嘘をついたあの日、困らせることを承知で、自分の気持ちを告げた。

それから黙って放置されて数日が経ち、ナミが夜部屋に来いと言ったのだ。
雲を歩けるかと言われ、麦わらの船に移り、今日は同室のロビンが見張りでいないからと。


激しくし過ぎて、気絶するように、少し眠ってしまったらしかった。
勿体無い。
一緒にいられる時間は、できるだけ起きていたいのに。

ペンギンは寝転んだまま、上になってキスを落としてくるナミの背中に恐る恐る手を回して確かめるように触れてみた。

「あん、触り方やらしいわね。」

ナミが男を魅了する顔で微笑む。



信じられん。

あの最強と思われる男を二人も差し置いて、俺を選んでくれたなんて。


口に出ていたらしい。


ナミは呆れたように笑って、ペンギンの鼻にちゅ、とキスをした。
鼻梁へのキスの、意味は愛玩だ。



「あんた、男らしいもの。常識的だし、いい人だわ。私は男を見る目もあるの。」

なかなか見えなかった素顔も、驚くほど好みだった。
言わないけど。


「あんたこそ....どうなの?」


質問の意味がわからず、ペンギンは瞠目する。

「なにが...」

「私で......」

ペンギンを見下ろして、悲しいような困ったような顔をするナミを抱きしめた。思わず。

普段自信に溢れている彼女のそういった姿を見るのは貴重だ。
驚くほどかわいいから、安心させてやりたいと思う。

「言っただろ。お前が好きで好きで堪らん。誰と刺し違えても、結局好きって思っちまったら止められねぇよ。俺はお前を守るから、お前も俺だけ見てて欲しい。」

差し当たってはマタタビから守ろうと思うが、これは口にしなかった。


なのに。

ナミは言うのだ。


「うん....ありがとう。でも私、たまにならアレ飲んでもいいよ。」


体に害がないならだけど、と言って、ナミは笑った。




あーー、エロい。

思考を読まれているし、こちらの心の奥底にある希望まで汲み取られて、こんないい女他にいるか?と全世界で一番幸福な男になった気がした。












これが、せっかく常識的でいい人と形容されたのに、ベッドの上ではすっかり非常識でわるい人になりそうな、ペンギンの生態であった。















End

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