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□聖なる夜にSN
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聖なる夜SN








サンジの場合





「ん......朝......」

サンジは目を覚まして辺りを見回した。
一瞬ここがどこだかわからなくなり混乱する。
滞在する島で宿をとって、それから。

サンジは隣にあるシーツの塊を、端からそっと持ち上げて中身を晒した。
後ろを向いて横たわるナミの体を。

肩から腰に滑らかに続くラインが見事なほどに美しく、くびれた腰からヒップに向かって艶めかしい線を描き、そこから伸びる白い脚が現実離れして柔らかそうでくらくらした。

どこもかしこも、食べても食べても食べ足りない。

オレンジの髪がかかる背中が規則正しく上下に動いていて、まだ彼女が夢の中だと言うことがわかる。

サンジは寒々しく晒された肌にくっついて暖めた。
自分のぬくい手で腰のラインを愛おしそうにさすって、尻を丹念に撫で回した。

髪を手で除けて肩から首に何度もキスすると、ナミは少し身じろいだが構わず続ける。


ーークリスマスの日に寝て起きると、枕元にプレゼントが用意してある。

これはそういうことだ。


「ぅん.....もぅ、あんなにしたのに....」

昨晩。
クリスマスイブには男のとっておきの演出とサプライズで骨抜きにされて。

ナミは目をつぶったまま言った。
正直腰が砕けそうだし睡眠も足りていないように感じていた。

「だってクリスマスの朝に枕元にプレゼントがあるんだもん♪」

かわいく言って、男の手が前に伸びる。

でも、ナミは嬉しいのだ。
嫌がるそぶりも、文句を言うこともない。
ベッドの上では、ただ男の愛を一身に受けて、自分も愛を注ぐだけ。

胸を触られると声が漏れた。
背中から包まれるのも好きだし、抱き合ってするのも好きだ。

ナミは振り返って男にキスをした。
キスは主導権譲渡の合図だ。

「もう。本当に用意してたのよ。」

ナミは言って、枕元に掛けられた大きめの靴下を指差した。

「開けてみて。」

サンジからのプレゼントは、昨日盛大に頂いている。
物はもちろん労力も金もかかっていた。
クルーの経済状況をナミは把握しているのに、その全てをつぎ込む勢いの男からは、愛を、誠実さをちゃんともらっている。いつも。

だから。


ナミは少し照れてベッドに寝そべった。
このホテルだって、とても高級で取るのも大変だったろうに。

「ナミさん、これ....」

靴下からは小ぶりな箱が出て来た。
サンジでも知っているブランドの、物々しい箱にはペアネックレスが一揃い入っていた。
ペアだと一目瞭然でわかるもの。

ナミが選んでいるだけにデザインも洗練されていて、気にいるどころかつけるだけで男も上がりそうな形状だ。

「サンジくん、ネックレスとかたまにつけてるわよね?まあ、数のうちに。」

「ナミさん、おれ....!」

「つけてみて」

枕の隙間からちらりと見てくるナミに、サンジが慌てて自分の首にチェーンを回す。

「うん。いいじゃない。かっこいいわ。」

サンジは嬉しくて泣きそうになった。
たまにナミは素直になる。
これだから、何度もヤッた次の日の君も大好きだ。

「私にもつけて。」

うつ伏せたまま、長い髪をかきあげるナミに喉がごくりと鳴る。
白いうなじを晒してまるで食べてくださいとでも言わんばかりの。

ナミにチェーンを回して、できるだけいやらしくうなじに触りながらつけてやった。

少し頬が赤くなったナミが半身を起こして言う。

「どう?」

「めちゃくちゃかわいいです」

全部が、全部がかわいすぎて。

「ナミさん、あり、あり、ありが」

「うん。大事にしてね。」

にこっと笑った彼女を押し倒した。



お揃いのネックレスが何度も当たって音を立てる。

それを見て、なんて幸せな朝なんだろうと思いながら。










Who's next?






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