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□聖なる夜にLawN
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聖なる夜LawN






ローの場合




「だいたいクリスマスなんてものはね、異国の文化なのよ!」

「そうだな。」

「普段何の関係もない異教徒もみーんな、めでたく祝うんだもの、おかしいと思わない?」

「そうだな。」

「それはそれでいいけど、必ず恋人と過ごさなけらばならないみたいな風潮が良くないと思うわけよ。」

「そうだな。」

「だから関係ないわよね?あんたもそう思う?よかったわ。」

「そうだな。」

言って、ローは深くソファに腰掛けて読んでいた本から視線をこちらに移した。

「そんな格好をして、お前が恋人と過ごしたくて過ごしたくてたまらないと言うことは良くわかった。」

ナミはローの部屋に上がり込み、ドアを開けた瞬間上記をまくし立てた。
ナミの身を包む赤い服には積もった雪のようなふわふわとしたファーが袖口やボタンにあしらわれて、赤い三角帽子の先にもうさぎのしっぽのような白いフワフワが着いている。

「そんなこと言ってないわ。別にクリスマスなんて、関係ないもん。」

「.....説得力が全くねェ.....」

そんなプレゼントを届ける気満々の格好をしておいて、言ってることとやってることがあべこべ過ぎる。

「よくもまぁ、そんな卑猥な格好で外を歩けるな。」

サンタ服と言っても、胸元はもうこぼれてしまいそうなほど開いているし、丈は中身が見えてしまいそうなほど短い。
しかもタイツは防寒には何の意味もない網目の大きなものだったし、落ちないようにガーターベルトをしているがそれも丸見えだ。

正直、恋人としては自分以外に見られるのは許しがたい格好だが、そんなことは言ったことがなかったし、小さい男だとも思われたくなくて努めて冷静を装おった。

「こんな格好で外歩けるわけないでしょ、寒いわよ。さっきシャチが貸してくれたの。ローが喜ぶよって....」

ナミは赤くなって語尾を濁した。
クリスマスをやる気満々過ぎて恥ずかしいけれど、喜んでもらえるならと思って着てみたのだ。

でも何の反応もないし、恥ずかしいだけだった。
そうなると嫌だと思ってクリスマスを否定するていで話していて良かったけど。

「は?なんだと」

「さっきね、シャチに」

「あいつらは見たって言うのか」

「え?うん。...だめだった?」


女っ気のないクルー達に、この格好を見られたと。

「だめじゃねェが...奴らの記憶は消す。」

「そんなの無理じゃ...」

「お前な、自覚がなさすぎる。」

そこに座れと、思わず立ち上がったローが言った。
ナミはちょこんとベッドに座って、所在なさげに指を組んでローを見上げた。

「お前はその格好をかわいいと思っているか知らんが、男はそうは思わない。」

「かわいくない?」

「いや、可愛い。可愛いが、男の多くは、可愛いよりも、それをめくりたいだとか着たまま突っ込みたいだとか、そのままピーーーさせたいとか、ピーーーしてピーーーしたいとか、ピーーーさせるとか」

「ちょ、ちょっと何言ってるのよ。」

ナミが暴走するローを止める。

ただ、どうやら喜んでくれているようでほっとした。

「ねぇ、ロー。それぜーんぶしていいのよ。」

谷間を寄せて、ナミはローにウインクした。

クリスマスが関係ないなんて大嘘。
ナミは恋人とラブラブで過ごしたかったのだ。

ローはそれを見てカッと血圧が上がり、ふらふらとしてぽすっとベッドに座った。
どちらかと言うと、腰が抜けて足が萎えて思わず座ってしまったと言う雰囲気だった。
あまりの高温にヒューズが飛んでしまったような。

「........マジか。」

呆然として頭を抱えるローに、ナミが頷く。

「その代わり、ローもプレゼントちょうだいね」

「...何が欲しいんだ。」

「えっと....」



一緒にいたい。



耳元で囁かれて、ローは一度焼き切れた回路がおかしくなってしまったことに気づいた。
気づいてももうどうしようもないのだけれど。


「俺ばかりもらって悪いな。」

「え、あん」

「その代わり、全力を尽くさせていただく。」


ナミは笑った。

その優しい手つきに、その奉仕に、いつも、ローの不器用な愛情を感じるから。













Who's next?








☆彡

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