novels2

□悪魔
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さなろ








煙草の匂いがするサンジよりも、ローの唇は甘いと感じた。

優しく唇に触れるのは、その方が感じさせられるから。

そうでも思っていなければ、愛を錯覚するほどの優しさだった。

ーー気持ちいい。

キスだけでいってしまいそう。
でもそんなこと恥ずかし過ぎて、感じてなんかないフリをする。
声も極力がまんして、でも背中に回した手がローを求めて勝手に動いていた。

背格好は同じくらい。

なのに、唇の甘さだけが違う。

私、男に飢えてるのかしら。

愛されたくて愛されたくてたまらないんだ。

でも、思ってるような愛をもらえないのが一番の問題で。
他の女に目移りしないような愛が欲しくって。
でも言えなくて。

「何考えてる」

「あっ」

「俺を見てればいいだろう」

「ん...でも」

「俺を見れば見るほど」

黒足屋に鉄槌を下すことができる。

耳元で囁かれて、中心がじゅんと濡れた。

ひどい女かしら。
可哀想なことをするかしら。

でも、とても甘い誘いだった。

「ああっ!」

胸を触られるともう、頭の中は快感でいっぱいだった。

深入りしちゃいけない。
クールでいないといけない。
そんな風にずっと思って。

でも、私無理してた。

ナミは胸の先を愛撫する男が自分の奥底を見ていることに気づく。
嫉妬する方の自分が本物だと、ローが見抜いたから。

「ろ、ロー...!」

「...!」

名前で呼ばれて、驚く。

「わたし、ヘン。も、もう、いきそうなの」

「何度もいけばいいだろ。」

ローはこみ上げる愉しさに笑みを抑えきれなかった。

「ナミ、見ててやるよ。」

「ああっ...」

肌の感覚が鋭利で、全身が性感帯になったようだった。
気持ちいい場所を探し当てられて逃げることも出来ない。

ぎゅうと抱きついてくる女の腕に言いしれない満足感がこみ上げる。

嫉妬深いのに、それを表に出すことを恥じて、苦しむ女。

素直になればいいものを、それが出来ないから毒牙にかかる。

なのに、自分の手にかかって今素直に声を上げていることが、どうしようもなく男の支配欲を満たした。

それはもう、他の男に渡すことが出来ないくらいに。


どんな色をしているだろう。
この女の心臓は。


肌を舐めて匂いを嗅いで、獣のように犯した。

美しい健康的な肢体は、驚くほどの快感をもたらす。

ほどなく絶頂に達した息の荒い二人は、どちらともなく見つめ合って深いキスを交わした。











「ナミさん、酷いよ」

「何が」

ロビンが見張りの日は勝手にサンジが部屋に来るのが、日課になってしまっている。

「さっきローと何してたの」

後ろから抱きしめられて腹を撫でられる。
それだけで中心がうずくけれど、できるだけ辛辣にしていないといけないのだ。
だってずっとそうだったから。
そんな私に、彼は興味を持ったんだから。


「あんたがいっつも女とやってることよ」

ナニをしているかなんて知らないが、カマをかける意味で言ってみる。

「.........うそ」

「ホント」

「ヤダ!なんで!」

「なんでやなの?あんたはしてるのに、私だけだめなんて」

ムシが良すぎるんじゃない。

言わせてもらえず、乱暴に口内をなぶられた。

やっぱり、煙草の匂いがするキスで、頭がくらくらとする。

酸欠になるほど口内を犯されて、頭に血が上った男に衣服を破られた。

「やっ!なにすん、のよ!」

こんな荒々しくされるのは初めてだった。
いつもは、飴細工を扱うように、優しく優しくされるのに。

女性には、優しく。
誰にだって、優しく。

どんな風に他の女を抱くんだろう。

驚くことに、そんなことを考えれば考えるほど、切なくて中心が濡れるのだ。

もし、その他大勢の女性はこの男に優しくされるのが普通だとして、今、こんなに無茶苦茶にされるのが、彼にとって特別なことなら。

私は、嬉しい。

ズキリと胸が痛むたびに濡れる自分を自覚していた。

ーーでも、切なくて、心が壊れてしまいそう。

だから、もう、これで終わり。


後ろからメチャクチャに突かれながら、ナミは痛みと共に来る快感に声を上げ続けた。









ナミの心臓の音がしないことに、金の髪を持つ彼は気がついたでしょうか?













End
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