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□Happy New Year
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新年
着物しばり。超小話。

1.LN
2.ZN
3.SN
4.RN
5.LawN
6.DN
7.AN







ルフィの場合


「なんだその服。」
「きれいでしょ?着物って言うの。」
「へー。なんか....」
「なによ。」
髪をアップにして露わにされた、うなじへの視線。
「食いたくなる。」
「あっ、ルフィ....っ」
かぶりつかれた白いうなじは快楽のスイッチだった。







ゾロの場合

「どう?」
「何が。」
やたらと長い袖からちょこんと手を出して、首をかしげるナミにゾロが言う。
「こ、れ!着物よ!」
その着物とやらを見せようとくるりと回ると座ったゾロの目の前にナミの尻が来た。
自分の嗜好を知っていて、わざとだろうか?と思う。
「悪くねェな。」
尻が。
両手で揉んでやると、優美さを解さない男に拳骨が飛んで来たが、姫初めは楽しいものになりそうであった。






サンジの場合


目の前の階段を、着慣れない服で登る君。
白い足袋を履いた細い足首が見えるともう神に新年の挨拶を詣でるどころではなかった。
「ナミさん、その服エロすぎ...」
「服じゃない!着物!変なこと考えてないでちゃんとお詣りして!」
横で手を合わせて祈りを捧げるナミのうなじを見ていると、裸よりも官能的だと思う。
あと、階段はもうだめだ。
足袋の足首はあまりに扇情的で色欲しか湧いてこない。
「あのね、全部声に出てるの」
「えっ?」
「もう...時間、あるから、たっぷり。」
そう言って、珍しく素直に寄り添ってくる彼女に珍しくサンジは赤面した。







ロビンの場合


「だめ。逃げないで。」
「...!だって...!せっかく着たのに...!」
「着物がこんなにも欲情的だとは思わなかったわ。諦めて。」
「もう、ロビン...!」
こんなことになるのを想定して、着付けを習得していてよかったと、ナミは朧げに思った。








ローの場合



「ほう。ハロウィンの時は巻いたのを、今度は解けと言うことか。」
包帯でぐるぐるに巻かれたことを思い出してナミはゾッとした。
「やだ、脱がす気?」
「後でちゃんと着せてやる。」
そう言うと帯に手をかけてくるくる回された。
ナミは子供のように楽しくなって笑う。
「きゃー!お代官様ー」
「人を悪徳代官みたいに。」
襦袢の下には下着はつけない。
柔肌に柄にもなくわくわくとして、布地の合間に手を滑り込ませた。







ドフラミンゴの場合


「こんなにたくさん、反物が...」
売り飛ばしたら一体いくらになるのかしらと、ナミが頭の中で算盤を弾く。
「そうだ、仕立て上がったものはこれ。」
ドフラミンゴが真っ赤な友禅の大振袖を示す。これに袖を通せばさぞ美しいだろう。
「着るのを見るのが好きなんだ。脱がすのもな。」
「すごい嗜好ね。変態だわ。」
「お褒めにあずかり光栄だ。」
「褒めてないわ。」
ナミはしかし、絞りの繊細さに吸い寄せられるように反物を撫でる。
こんなに素敵な着物を贈られるなら、脱がされても仕方ないのかもしれないと。







エースの場合


「なにボーッとしてんの?」
「え...」
「やっぱり変かしら」
「いやっ!変じゃ、ねェ!!むしろ...」
「むしろ?」
そばかすのある端整な横顔が赤くなるのに、ナミは悪戯に笑った。
ほとんど言いたいことはわかっているけど、問い詰めるのがナミの趣向なのだ。
「...き、き、き....きれ....」
「き?」
ナミが笑ってエースの鼻をちょんと摘んだので、エースは憮然とした。
「ナミ、後で覚えてろよ。」
「なにを」
「あ、でもおれこの服着せれるかな。どうなってんだこの帯」
「やだ」
「もう遅せぇ。からかうからだ、俺を」
だって、かわいいんだもん。
ナミはそう思ってエースの腕に巻きつく。
イゾウに着付けてもらったという着物を着た恋人に。
宣言通り滅茶苦茶にされた布団の上で、ナミは頬杖を付いて言う。
「でも、思い通りになったわ。」
「なに....」
「こうしたかったの。」
温かい胸に頬を寄せて、男の鼓動を聞きながら言う。
「お誕生日おめでとう、エース。」









End

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