夢100 創作

□友情と愛情
1ページ/5ページ

何をしようかと考えながら起きた三十分後チャイムがなってモニターに駆け寄るが、誰の姿がない。

「……?」

不思議に思いながら恐る恐る玄関を開けると……

「おはよう、ちょっと良いかな」

「怖い」

彼が何もしてこないなんて、今日は槍が降るのかもしれない

「……何かあったの?」

「あなたが、怖いです」

「開口一番のセリフがそれなんだ」

普段なら何かしらの恐怖の嫌がらせ(本人曰くイタズラ)をしてくるはずなのに

「……というかウィルさんの方こそ何かあったんですか?
いきなり部屋にまで来るなんて」

「今日、遊ばない?」

「え、1晩限りののアバンチュールとかはちょっと……」

「そんなお誘いはしてないんだけどな」

冗談はさておき暇していた所だったので断る理由も無く、シェミは鞄を持って靴を履いた。

「で、どこに行くんですか」

「若手ホラー監督の話題作、見に行かこうと思ってるか……

「帰ります」

と言って背を向けたが鞄を掴まれていたらしく身動きが取れない。

「簡単に帰すと思った?」

「無理矢理って何事でもよくないと思うんです。
ね?だからその手を離せホラーバカ!」

「はいはい。
準備はすんでるみたいだし早く行くよ」

強引だ
この人はいつもの強引過ぎる

「幼なじみだからって勝手すぎませんか!?ウィル兄さん」

「シェミのわがままにも付き合ってるんだから、僕の趣味にも付き合ってもらないと」

半ば引きずられるように外に連れ出されると、彼愛用のスクーターに載せられる。

「しっかり掴まっててね」

「捕まりたくないです」

「いや、掴まらないと落ちるよ」

シェミが言っているのはそういう事ではなくウィルに捕まりたくないと言っているのだが、伝わるわけもない。

「王子!彼女とデート?」

通行人が親しげにウィルに声をかける。

「まぁそんな所かな」

「誰が彼女ですか」

「不満?」

「別にそういう訳じゃないけど」

「だよね、知ってる」

こんな曖昧な関係の幼馴染である。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ