蒼い炎(もしも)(完結)
□第一話
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サッチside
「サッチ、コーヒーをくれよい」
眠そうな顔をした長男が食堂に現れた
「ほらよ」
マルコにコーヒーを淹れ、俺も自分のコーヒーを持って座った
1ヶ月間行方不明だったマルコとエースが戻ってきてから1ヶ月経った。
その間に溜まった仕事がようやく終わったらしい
マルコは疲れた顔をしている
「お前、少し休めよ」
「分かってるよい。もう少し仕事をしたら寝る「マルコ隊長っ!甲板に不審者ですっ!!」・・・よい」
タイミング悪いな・・・
マルコが疲れた顔をして立ち上がった
「俺が行こうか?不審者は何人だ?」
マルコの部下に聞いてみると・・・
「女が2人です」
「へぇ〜〜。美人だったか?」
「おいっ!」
「冗談だよ」
マルコには休んでおくように言い甲板に向かい、クルー達が集まっている方へ向かう
俺が来た事に気付くとみんな避けていく
その先に見えたのは・・・・
クルー達を睨みつける綺麗な目をした女
その女は背に小柄な女を庇っているようだった
「へぇ〜〜。良い度胸してるな〜」
声を掛けるとその女は目を丸くして俺を見上げた
「(こうやって見ると可愛い子だな)」
何より、これだけの男達を前にして一切怯まず、もう一人の女を背に庇って俺たちを睨みつけるその目が気に入った
「で?君ら何者?どうやってこの船に?」
陸を離れてからかなり経つ。
その時から船内に隠れていたとは考えにくい
見えないけど、能力者か?
言い辛そうにするその子が話しやすいように他のクルー達には一歩下がってもらった
「なぁ?悪いようにはしないから正直に話してくれないか?」
出来るだけ優しく聞くと
「気が付いたら此処に・・・私達もよくわかりません・・・」
少し不安そうに言うその子の手が少しだけ震えている事に気が付いた
「(嘘を吐いているようには見えないな・・・)怯えなくても大丈夫だよ。敵じゃないなら手荒な事はしないからさぁ」
その子の頭を撫でると一瞬驚いた後
「ありがとう」
ニッコリと笑ってそう言った
「(つっ!可愛いっ!!)取り敢えず食堂で温かいものでも飲みながら君らの事を聞かせてくれよ?」
集まっていたクルー達は俺が責任を持つからと言って仕事に戻らせた
そして、食堂へと案内した
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