蒼い炎(もしも)(完結)

□第三話
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藍side



「おっき〜」

鈴の口が開いている・・・

「鈴・・・口・・・」


「あっ」

鈴が慌てて口を閉じた

マルコくんが連れてきてくれたのはこの船の船長さんの所

大きな人だとは聞いてたけど、そう言う意味だったのか?


目の前には私達の世界では有り得ない大きさの人・・・


見上げ過ぎて首が痛い・・・




「マルコから話しは聞いてる。藍と鈴だな」

「「はい」」


「うちの息子達が世話になったな。礼を言う」



そう言って白ひげさんは頭を下げた・・・


私と鈴は驚き、慌てた


「やっ・・・止めて下さいっ!お礼を言って頂くほどの事はしてませんっ!」


私の言葉に鈴も続いた


「そうですよっ!2人が居てくれて楽しかったしっ!」


本当にそうだった


鈴と2人・・・


何の不満もなかったし、2人で楽しく生きて来た・・・


だけど、2人が来て更に楽しくなって・・・


2人が居なくなったときは寂しかった・・・





「グララララっ。そう言ってくれるな。オレの大事な息子達が世話になったんだ。
直接礼を言いたいと思ってた所にお前達の方から来てくれたからな〜。
こっちにいる間は何の心配もするな。
好きなだけこの船に乗ってろ」


本当にこの人はマルコくん達を大事に思ってるんだなぁ〜〜。



向こうの世界に居た時にマルコくん達はいつも話してくれた


自分の家族の事を・・・


血は繋がっていないけど、誰よりも尊敬できるオヤジさんだと・・・


そして、この船に乗っている全員が大事な家族だと・・・


うん。分かる。


とっても素敵なオヤジさんだものね



その後も私達の世界の事やここでの生活の事を少し話して解散となった。





「藍、鈴、俺は2人の部屋の準備をしてくるよい。エースに船内でも案内してもらってこいよい」


「ありがとう。マルコくん」


「その前に、藍ちゃん、鈴ちゃん食べ物の好き嫌いある?」


サッチさんが私達に聞いてきた


「私、辛いの食べれない。後、甘い物が好き〜〜」


私達を歓迎してくれる宴の料理の事だと分かり鈴が嬉しそうに答える



「藍ちゃんは?」


サッチさんが私にも聞いて来た・・・


「えっと・・・。好き嫌いないので、何でも食べれますよ」


「それは良い事だけど、好きな物くらいはあるだろ?」




エッと・・・


好きな物・・・と言われても・・・


困ったな・・・


ホントにないんだけど・・・


なんて答えようかと考えていると・・・



「藍は果物が好きだったねい。後、スープを良く飲んでいただろい?」



ポンとマルコくんの手が私の頭に乗った


「えっと・・・。うん」


目の前にいたサッチさんの顔が少し険しくなったような気がしたけど・・・


「そっか。分かった。色々用意しとくよ」


気のせいだったのかな・・・



サッチさんは笑顔で食堂に戻って行った










「マルコくん。ありがとう」


私が困っているのを助けてくれたんだよね



「大した事じゃないよい。でも、藍はもう少し自分の思っている事を出した方がいいよい」


私の髪の毛をグシャグシャにして笑いながらマルコくんもその場を去って行った





そう言えば、向こうの世界でもマルコくんは私が3人の希望ばかり聞く事に苦い顔をしてたなぁ〜〜。



自分の気持ちを言うのは苦手なんだよ・・・






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