蒼い炎(もしも)(完結)

□第五話
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藍side


「ふぅ〜〜〜」


ちょっと飲み過ぎたかな・・・

あの後、何故かマルコとサッチさんが競うようにカクテルを作ってくれて、断り切れずに飲んでしまった・・・



そうこうしているうちにマルコ達はそれぞれの隊のクルーに呼ばれて宴の中心へと向かった


鈴まで、飲み比べだと言ってエースくんと楽しそうにしていた・・・


私は・・・というと・・・



ちょっと熱くなった顔を冷ますために宴の中心から離れて端っこで空を見ていた・・・







すごく綺麗だなぁ〜〜


こんなに沢山の星を初めてみた・・・


今日は朔日か・・・

要するに新月・・・


普段よりも星空が綺麗に見える


私達が住んでいた所は夜でもビルやマンションの明かりが灯っていたせいもあり、あまり星が見れなかった


マルコとエースくんがいつも自分達の世界の夜空はもっと綺麗だって言ってたのは本当だったんだなぁ〜〜〜


ずっと見ていても飽きない・・・


けど・・・


ずっと上を向いていたせいか・・・

それとも酔っているのか・・・



ふわふわ?ふらふら?してきた・・・



「あれ・・・?」


後ろに倒れそうになったところに・・・


「おっと・・・あぶなっ」



私の背中を支えてくれた人を見ると・・・



「・・・サッチさん?」


「座った状態でも倒れると頭を打っちゃうよ(笑)」


そう言って私の隣に腰かけるサッチさん



「すみません・・・」


う〜〜。まだふわふわする〜〜。



「いや、俺らが飲ませ過ぎたな?ごめんなぁ〜」


そう言ってお水をくれた


冷たくて美味しい・・・



「ありがとうございます」


ふぅ〜〜。

ちょっとだけスッキリした・・・





「疲れただろ?」


確かに・・・

でも・・・


「少し疲れましたけど、楽しいですね・・・。
マルコがいつもこの船の家族の話しをしてました。一度会ってみたいと思ってたんで嬉しいです」



エースくんもいつも言ってなぁ〜〜



「マルコ・・・ね・・・」



????

どうしたんだろ?







「サッチさん?」


「サッチ」


????


「はい?」


「俺の事も呼び捨てにして、敬語もなしな」


????


「えっと・・・」


何で急に?


「マルコは良くて俺はダメなの?」


少しムスッとして怒ったような・・・

拗ねたような顔をするサッチさん・・・



「えっと・・・」


「ダメ?」


首を傾げて再び言われれば・・・



「じゃあ・・・サッチ?」


「・・・・・良いっ!もう一回っ!!!」


え?

もう一回呼ぶの?

何のためか分かんないけど・・・

まぁ、良いか


「サッチ?」


再び呼ぶと嬉しそうに笑うサッチ


名前を呼ぶだけで喜んでもらえるなら、いくらでも呼ぶけど・・・

不思議な人だな(笑)







その後もマルコが来るまでの間、何度も無意味に名前を呼ばされた(笑)





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