蒼い炎(もしも)(完結)
□第六話
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藍side
「これで足りそうかよい?」
マルコがランドリー室から裁縫道具を貸してくれた
「うん。充分だよ」
かなりの色の糸が揃ってるな〜
「でも、本当に藍がこんな事する必要はないよい?」
マルコが私の頭をグシャグシャと撫でてくる
「う〜〜ん。ここに置いてもらってて何もしないのもね・・・」
「それこそ気にするなよい。俺たちだって藍達の世界に居た時は何も出来なかったよい?」
それとこれは違うよ(笑)
「あの時は2人とも子供だったからね(笑)私は大人だし、何よりずっと何もせずに過ごすわけにもいかないでしょ?何か仕事を与えてもらった方が楽しいよ」
いい大人が毎日何もせずに過ごすのはね・・・
「こういう時だけは引かないんだねい・・・」
マルコが呆れたように笑うけど、気にしない
ここに置いてもらって、生活を保障してもらってるんだし・・・
何か役に立たないとね。
そのままマルコの部屋に寄って、繕わないといけない洋服と数点と面白そうな本を数冊借りて部屋に戻った
夕食後、部屋でマルコから預かった服を繕っていると・・・
コンコン
部屋の扉がノックされた
「は〜い。どうぞ〜」
扉が開くと・・・
「サッチ?」
サッチがコックコートを数点持って立っていた
「本当にお願いしても大丈夫?」
「うん。良いよ〜。あっ、入る?」
扉の前で話してても仕方がないから中へと入ってもらった
「・・・・お邪魔します・・・」
「どうぞ〜。ソファに座って?」
マルコが用意してくれた私と鈴の部屋にはベットや箪笥の他にソファまで用意してくれていて、とっても居心地のいい部屋だった
「やっぱ、女の子の部屋は綺麗だなぁ〜」
サッチがキョロキョロと部屋を見まわす
「そう?」
話しながらサッチの持って来たコックコートを確認して、どこを繕うのか見ていく
「藍ちゃん、こんな難しそうな本を読むんだ?」
マルコから借りた本をサッチが手に取った
「ん?あぁ、マルコから借りたんだよ。私達の世界に居た時も思ったけど、マルコとは趣味が似てるんだよね〜〜」
マルコの部屋には面白そうな本がいっぱいだったなぁ〜
繕い物の仕事も貰ったし、本も沢山あるし、楽しいなぁ〜〜〜
「藍ちゃん、楽しそうだな・・・」
???
サッチの声が低くなった
機嫌悪い?
「楽しいよ?」
顔を上げてサッチの方を向こうとすると・・・
「っビックリした・・・どうしたの?サッチ」
ソファに座ってたサッチがベットに座っていた私の目の前にいた
「藍ちゃん・・・マルコの事・・・」
マルコの事?
そう言いながらサッチの手が伸びて来た・・・
と思った時・・・
「藍〜。ただいま〜〜〜〜」
夕食後、エースの所に遊びに行っていた鈴が戻って来た
「お帰り、鈴」
「あれ?サッチ?」
どうしたの?と首を傾げる鈴
「あ〜〜〜。藍ちゃんにボタンが取れそうなコックコートとかを持って来たんだよ。じゃあ、悪いけど、藍ちゃん、よろしくな?」
いつものように笑ってサッチは部屋を出て行った
さっきの複雑な顔は何だったんだろう?
マルコの事がなんだったんだろう?
気になったけど、考えても分からないから考えるのをやめて、針と糸を手にとってマルコとサッチから預かった洋服を繕う事にした
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