蒼い炎(もしも)(完結)
□第九話
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サッチside
昼過ぎまで青空が広がっていた海だったが、現在は大時化
あっという間に空が暗くなり、雷が鳴り響いていた
グランドラインにおいて急な天候の変化はよくある事
航海士やそれを指図するマルコ、今日の当番の隊はその対応で忙しそうだが、それ以外のクルーはこれくらいの天候変化はいつもの事と、船の揺れも気にせずにいつも通りに過ごしていたが・・・
鈴ちゃんからある事を聞き、足早に書庫へと向かった
カチャリ
と書庫の扉を開けると・・・
手で耳を塞ぎ、ソファの上で丸くなっている藍ちゃんの姿・・・
いつも凛としている彼女からは想像もつかない姿だった
そして、俺が入って来た気配を感じたのか、顔を上げた彼女の目が不安げに潤んでいた・・・
「・・・・藍ちゃんっ」
いつもは見せないその不安気な視線に心臓が掴まれたように傷んだ・・・
しかし、そんな顔を見せたのは一瞬で・・・
目は潤んだままだが、いつものようにニッコリと笑い
「どうしたの?珍しいね〜。サッチが書庫に来るなんて〜」
寧ろ、いつもよりも明るい声を出しているのはきっとこの場を誤魔化すためだろう
ったく、怖いなら怖いって言えば良いのになぁ〜〜〜
ここに来る前に鈴ちゃんから聞いた事
それは藍ちゃんが雷が苦手だという事だった
鈴ちゃんはそれを知っているけど、自分が言っても大丈夫だと言って無理して笑うから・・・と寂しそうに言っていた
こういう事かぁ・・・
こうやって話している間もゴロゴロと雷が鳴っている
その度に肩が揺れる藍ちゃん(笑)
何でそんなに隠そうとするのかなぁ〜
ここはキャーとか言って抱き付いてくる所じゃないのっ?
頼って貰えない事がちょっと面白くないな・・・
「たまには本でも読もうと思ってさぁ。一緒に良い?」
どうするのかなぁ
ちょっと目を泳がす藍ちゃん・・・
貴重だな(笑)
「えっ・・・あっ、うん、良いよ」
藍さん、顔が引きつってますよ〜。
俺がいる事で耳を塞ぐ事が出来ないよなぁ〜〜〜(笑)
藍ちゃんの隣に座って適当な本を読むふりをする
ゴロゴロと空が鳴るたびにソワソワする藍ちゃんが可愛いっ
そんな事を考えながら藍ちゃんを盗み見していた
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