落花流水の情(完結)

□第五話
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「「「「ウミウミの実?!」」」」


アンが悪魔の実の能力者である事が分かり、各隊長は食堂に集まりその事についてエースとアンから話しを聞いていた



「そう、海水を自由に操れるのが特徴かな〜。後、悪魔の実の中で唯一海に愛されてるんだよ」


「それで泳げたのか・・・」


悪魔の実の能力者だと今まで疑った事もなかったのはエースを助ける為に海に飛び込む様子を良く見ていたからだった

悪魔の実の能力者は海に嫌われる為にカナヅチになる

アンだけが例外だ


「へぇ〜。それって最強じゃねーか?海楼石も大丈夫なんだろ?弱点なんてないんじゃないか?」



しかし、何の弱点もない能力なんて存在しない


「んー。そうでもないよ。あくまでも海水を操れるだけだから、近くに海がなかったら使えないし、何よりも体力を消耗するんだよね〜」


「そういう事だ。だからあまり能力は使わせてこなかったんだよ。最近はだいぶ体力付いて来たからなぁ〜。そろそろ良いかと思ってさ」

話しを補足するエースにそうそうと頷くが確かに疲れた顔をしているアンだった


「でも、むやみに能力を使うつもりはないからよろしく〜」



そう言ってサッチが入れてくれたあま〜いココアとサッチが作ってくれたあま〜いケーキを頬張った


「・・・・見てるだけで胸やけしそうだよい・・・」

甘い物が苦手なマルコは渋い顔をしてアンを見ている


「アンちゃん、普段、そんなに甘い物食べないだろ?」

アンのリクエスト通りにココアとケーキを用意したサッチだが、いつもはブラックコーヒーかストレートティしか飲まないアンに首を傾げていた


「能力使うとすっごい甘いものが食べたくなるのっ!!!」


一通り食べ終わると落ち着いたアン

「ふぅ〜。ご馳走さまでしたっ」


そう言って笑顔になるアンだったが・・・


「「「ぷっ(笑)」」」

「アン、クリームが付いてるぞ(笑)」

エースがそう言ってクリームを取ろうと手を伸ばそうとしたが・・・


「ここだよい」

マルコの指先の方が先にアンの唇に触れ、クリームを拭い・・・



ペロリ・・・


「・・・甘いよい・・・」


マルコは指先に付いたクリームを舐めた


その場にいた全員が固まり


マルコは・・・

「ん?どうかしたかよい?アン、疲れただろい?今日は早めに休めよい」

アンの頭をクシャっと撫で、仕事の続きをする為に自室に戻って行った


「クソッ、あの役は俺がやりたかったっ!!」

サッチは嘆き、他の隊長達は心の中で

『マルコは天然たらしだ・・・』

そう思ったのだった







そして、アンは・・・

「はっ!!アンっ、何、顔を赤くしてるんだよっ!お兄ちゃんは許さないぞ」


「何言ってるのよっ。別に赤くしてないよっ」



マルコの指が唇に触れた時、心臓が跳ねた事は誰にも内緒だった・・・




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