蒼い炎(もしも)(完結)

□第十二話
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サッチside

この島に上陸してから毎日のように図書館に通い詰める藍ちゃん


この島に停泊してもう7日

後3日でログも溜まり、この島を出航する

帰る方法を探すために足しげく図書館に通っているが、まだ見つかっていない


このまま帰る方法が見つからなければ良いのに・・・と思う自分が情けない・・・


帰る方法を探していると藍ちゃんから聞いた日、マルコに話すと・・・


『俺は、藍が帰りたいと言えばその方法を探すためにいくらでも協力するよい。藍が望むようにしてやるよい』

あいつは、藍ちゃん達の世界に行き、藍ちゃん達との生活も楽しかったけど、この船に帰りたかったし、帰ってきて良かったと思うから・・・と

同じ経験をしたからそう思うんだろうな・・・


俺は・・・

藍ちゃんが喜ぶことなら何でもしてやりたいけど・・・

帰る方法を探してやれない・・・

帰って欲しくない・・・

ずっとこの世界にいて欲しい・・・

「はぁ〜、情けねーな」

「今頃気付いたのかよい」

独り言に返すなよっ!

図書館内の為コソコソと話す俺たち

藍ちゃんは少し離れた場所で本を読んでいる

本を読む姿は背筋が伸び、その真剣な眼差しが綺麗だ

あの綺麗な目が本当に好きなんだよな・・・

「それにしても・・・相変わらず凄いスピードで読むな・・・あの子・・・」

速読が得意だって言ってたな・・・

あと、記憶力もかなり良いらしい

あれだけ読んでいてほとんどの内容を覚えてるというから驚きだ

「・・・速すぎだよい。船の書庫の本もほとんど読んだらしいよい」

はっ?

うちの船の書庫ってかなりの蔵書数だよなっ?

この島で本を買い足すか・・・とマルコが本気で悩んでいる

ホント、見てて飽きない子だなぁ〜〜


マルコと2人でコソコソと話していると・・・


「マルコ、サッチお待たせ」

「早いねい・・・もう良いのかよい?」

いつもは閉館ギリギリまで図書館にいるのに、今日は数時間早い

「うん。目当ての本はなさそうだし・・・ね」

それを聞いてホッとする自分がいて、心の中で藍ちゃんに謝った


「そうか・・・まぁ、まだ早いし、本屋にでも行こうかよい?書庫の本を増やしたいと思ってたんだよい。藍が本を選んでくれないかい?」

マルコがそう言った瞬間、藍の目が輝いた

「良いのっ!?」

どんなのが良いなあ〜と嬉しそうに本屋に向かう藍ちゃん

ホント本が好きなんだなぁ〜




この島で一番大きく、品揃えが豊富な本屋に来た

「マルコ〜〜。何冊選んでいいの〜?」

「何冊でも良いよい。選んでくれれば後からクルーに取りに来させるよい」

マルコも自分の好きな本を選び出す


そんなに時間が経ってないのに、2人でかなりの量の本を積み上げている(笑)

しかも、2人ともあまり顔は変わってないけど、テンション上がってんなぁ〜


そんな様子を微笑ましくも思いながら、たまには新しいレシピ本でも買うか・・・と料理本のコーナーで本を探す事にした



あっ・・・藍ちゃんが食べたい物が載ってる本にしようかな〜♪

そう思って藍ちゃんを探すと・・・

その本屋の中でもかなり奥の方

入り口から遠いせいか日もほとんど射さないような場所に立っている藍ちゃんを見つけた


「藍ちゃん?」

あれ?反応がない?

本に集中しているのか、手にした本を凝視している

「藍ちゃん?どうかした?」

肩に手を置くと

ビクッ

と体を震わした藍ちゃん

「あ、ゴメン。驚かすつもりはなかったんだけど・・・」

少し顔色が悪い?

店内が暗いからそう見えるのかな?

「藍ちゃん、大丈夫?」

そう問えば、藍ちゃんは自分を落ち着かせるように大きく息を吐き


「うん・・・この本・・・帰る方法が書いてある・・・」


「・・・・えっ」


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