落花流水の情(完結)
□第一話
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「エース、私も行く」
「ダメだ」
「行く」
「ダメだ」
出発の日、朝からこの状態で、既に昼になっていた。
「アン、分かってくれ、お前を危ない目には合わせたくない」
「私はそこまで弱くないよ」
腰につけていたナイフを抜き取って、エースに切りつけた。
エースは知らないけど、ずっと強くなるためにおじいちゃんに嘘を付いて鍛えてもらった。
海軍に入りたいからって言ったら、喜んで教えてくれた。。。
ごめんね。おじいちゃん。。。
私のナイフはエースの頬をかすった。
「ちょっ、アン、危ないって」
エースは私に一切攻撃しないけど、避けるのも辛そう。
速さに関しては、おじいちゃんにも褒められたからねっ。
「エース、本当に私を連れて行きたくないんだったら、殺して?」
エースの動きが止まった。
まさか私がそこまで言うとは思ってなかったんだろう。
「子供の頃からずっとずっと置いて行かれてばかりだった。ここで置いて行かれたら、もう会えなくなる気がする。それならもう良いよ。一人で生きていても仕方がないもの。殺して?」
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