落花流水の情(完結)

□第一話
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エース視点
17歳になった。

サボが死んだ時、ルフィとお互い17歳になったら海へ出ようと約束した。

そして、俺は一足先に海に出る。。。予定だった。。。

海に出る事をアンに伝えてから、自分も行くと言い出した。

一緒に産まれてきた俺の半身。
大事な双子の妹。

子供の頃から俺の後を着いてこようとしていたのをいつも追い払っていた。

もちろん、危ないからだ。

いつも泣きそうな顔をして一人で帰って行った。

何だかんだ言って、毎回俺のいう事を聞いてくれていたんだ。


「お前を危ない目には合わせたくない」
ただそれだけなんだ。

アンだけは、父親の事なんか関係なく、普通の女として、普通の幸せを掴んで欲しかった。

俺の可愛い妹、側に入れなくてもアンを守る為にはそれが一番だと思った。

なのに。。。

「私はそこまで弱くないよ」


アンがナイフを抜いて切りかかってきた。

(はやっ。っつ)

顔を切ったか。

「ちょっ、アン、危ないって」

いや、マジで。

マジで強いんですけどっ!

さすがに攻撃はしなけど、避けるも厳しいくらい、アンの動きは早い。

いつの間に?!

本気か?こいつ。
俺についてくるために強くなったのか?

俺はアンの為を想って置いていくのに。。。

「エース、本当に私を連れて行きたくないんだったら、殺して?」

はっ!!!

なんて言ったこいつっ。

アンの言葉が衝撃的すぎて動きを止めてしまった。

すると、アンの動きも止まった。


「子供の頃からずっとずっと置いて行かれてばかりだった。ここで置いて行かれたら、もう会えなくなる気がする。それなら、もう良いよ。一人で生きていても仕方がないもの。殺して?」

こいつをそこまで追い詰めたのは俺か。。。

そんな顔でそんな事を言われたら降参するしかねーよな。。。




「アン、ここに残る方が幸せだと思うぞ」

「私の幸せを勝手に決めないでよ」




「そうだな。。。一緒に産まれてきたんだ。死ぬ時も一緒だよな。。。」

絶対死なせはしないけど。

俺が強くなればいい。
こいつが傷つく事が怖いのであれば、傷一つ負わせないよに俺が強くなれば良い。


「アン、俺が必ずお前を守るから一緒に来てくれないか?」


泣きそうだった顔が花のように綻んだ。

「ねぇ、エース。私、強くなったでしょ?」

「あぁ、ビックリした」

マジで!

「私もエースを守りたいよ?だから連れて行って?」




「あぁ、アン、一緒に行こう!」



こうして俺達は2人で海に出た。


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