落花流水の情(完結)
□第二話
4ページ/4ページ
ヒロイン視点
バッシャ〜〜ンッ!!!!
「あいつが落ちたぞ〜〜〜」
「何度目だあいつ」
「懲りねーなー」
あれからエースは何度も白ひげに襲い掛かった。
寝込みも襲った。
でも、一度も勝てなかったし、エースの拳は白ひげを掠りもしなかった。
私は毎回それを隣で見て、エースが海に落とされるたびに引き揚げていた。
「毎回大変だなぁ〜。アンちゃんも」
ここの船の人達ももう、慣れたもので自分達の船長に襲い掛かるエースを止める事もなく、面白ろそうに見ていた。
この人もその中の一人。
「サッチ。エースの後始末は慣れてますから大丈夫よ」
「ところで、今日もご飯を食べてくれないのか?」
心配そうにされるとちょっと心が痛むなぁ〜。
さすがに水は飲んでるけどね。
「エースが食べないならいらない」
「2人とも頑固だな〜」
でもエースが少しずつ変わってきている。
それに気づいているのは私だけ。
甲板で小さくなっているエース
そっと隣に座る。
「アン。。。」
何も言わずにエースに寄り掛かる。
コトッ
顔をあげるとマルコが私達の前にスープを置いた。
「・・・・・お前ら何であいつの事”オヤジ”って呼んでんだ・・・・?」
「あの人が”息子”と呼んでくれるからだ。
おれ達ァ世の中じゃ嫌われ者だからよい・・・嬉しいんだなァ・・・ただの言葉でも嬉しィんだ」
「!!!」
エース・・・・
「お前命拾いしてこんな事まだ続ける気かよい。そろそろ決断しろい。今のお前じゃオヤジの首は取れねェ。この船を降りて出直すか・・・ここに残って”白ひげ”のマークを背負うか・・・・!!」
「・・・・・・・・・・・」
エースの手をそっと握った。
私はエースの決めた事だったら何も言わずについて行くから。
「あいつの所行ってくる・・・」
決めたんだね。エース。