蒼い炎(もしも)(完結)

□第一話
2ページ/2ページ

藍side



鈴と公園にいたはず・・・


なのに、気が付いたら船の上にいて・・・


知らない男達に囲まれている


「藍・・・」

鈴が震えている

そりゃそうだ

目の前の男達はお世辞にも柄が良さそうには見えない・・・


鈴の手を握り、安心するように微笑んだ


「大丈夫だよ。私の後ろにいて・・・」


囲まれている状況で後ろに鈴を隠しても仕方がないが、気休めにはなるだろう


私の後ろにいて顔を上げないように言った



2〜3人なら何とか出来るけど、この人数だし、何より船の上

逃げ場は海のみ・・・


近くに島はないか・・・


私も鈴も泳げるが、その距離はたかが知れている


何かこの状況から脱出できる方法がないか考えながら男達を睨んでいると・・・


誰か来た?


目の前の男達が避けていく・・・


目の前に現れた男は・・・

軽い口調で話しかけてくるリーゼント・・・


「(リーゼント?超リーゼント?すっごいリーゼントなんだけどっ?)」


リアルリーゼントを見たのが初めてで思わず驚いてしまった



「で?君ら何者?どうやってこの船に?」


どうやって?そんなの私達の方が聞きたいよ・・・


気付いたら此処に・・・って信じてくれるのかな・・・


あぁ〜、マルコくんやエースくんもこんな気持ちだったのかなぁ〜〜


気付いたら知らない所って、不安だな・・・


言い辛そうにしていると、その人は気遣ってくれたようで、他の男達を少し下げてくれた


そして、

「なぁ、悪いようにはしないから正直に話してくれないか?」

そう言って笑うリーゼントの人


その笑顔に何故がホッとした・・・


「(この人は大丈夫かもしれない・・・)」

話してみる事にした


「気が付いたら此処に・・・私達にも良く分かりません・・・」


本当に分からない・・・


怖い・・・けど、私がしっかりしなきゃ

私の背には鈴がいる

私が怯えると鈴が不安になる


しっかりしなきゃと思っていると・・・


「怯えなくても大丈夫だよ。敵じゃないなら手荒な事はしないからさぁ」


そう言って私の頭をその人は撫でた・・・


驚いた・・・


頭を撫でられたのは何年ぶりだろう・・・


「ありがとう」

自然と口に出た言葉だった





そして、その人は話しを聞かせて欲しいと食堂へ案内してくれた・・・






_
次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ