蒼い炎(もしも)(完結)

□第四話
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サッチside


「よしっ、これで全部だな。後はお前達も楽しめよ!」

自分の隊のコック達にそう言って俺も宴に参加する事にした


宴の時はかなり大量の料理と酒を用意するために俺たちコックはどうしても最初からの参加は難しい

けど、みんなが美味しそうに食べている姿を見るとそれも気にならねー


フルーツを盛りつけた皿を持って目当ての人物を探し


「いたっ」


近づくと・・・・


マルコの手が藍ちゃんの頭に触れる前に・・・



ベシッ



「・・・・・・・何するんだよい」


マルコの手を跳ね除けて、藍ちゃんと鈴ちゃんの間に座った



「はい、お嬢さん方、デザートをどうぞ?」


2人にフルーツとシャーベット、アイス、ミニケーキを盛りつけたプレートを差し出した


「おいっ、無視かよいっ!」


そうだっ!無視だっ!




「「可愛いっ!!!」」


だろっ?

フルーツを動物や花に見えるようにカットして、盛りつけてある


「ほんと凄い・・・。食べるのがもったいないなぁ〜(笑)」


嬉しそうに笑う藍ちゃんを見て本当に頑張って作って良かったっ!と心底思った


「ありがとうございます。サッチさん」


「喜んでもらえて嬉しいよ」



食べるのがもったいない・・・と何処から食べようかと悩んでいる様子が可愛い




おっ、思い切ってクマの形のイチゴから食べるようだ(笑)


藍ちゃんがブスッとフォークでクマを突き刺した時・・・


「藍、一口くれよい」


藍ちゃんが口に入れようとした瞬間にマルコが邪魔しやがったっ!


藍ちゃんの為に用意したんだぞっ!と言おうとしたが・・・



「仕方ないなぁ〜〜〜。はい」


「ん。美味いよい」


「・・・・・・・・・・・・・・・・」



俺は口を開けたまま固まった・・・


藍ちゃんはいとも自然に、マルコの前にフォークを差し出し、マルコも当たり前のようにそれを口に含んだ・・・


要するに藍ちゃんがマルコに果物を食べさせてやった


ごく自然に

当たり前のように


何だ・・・この2人・・・



何より、マルコのヤツ、俺の方を見てニヤリと笑いやがったっ!!!


しかもっ!!!



「藍、今度は俺が食べさせてやるよい」


フォークを貸せと藍ちゃんに言いやがったっ!



「良いよ、自分で食べるから」


そう言って藍ちゃんは自分で食べようとして

ほっ・・・とした・・・



っじゃなくてっ!!



「藍ちゃんっ!ちょっと待ったっ!!!」




新しいフォークを渡し、藍ちゃんが持っていたフォークを取り上げる


「????」

藍ちゃんはキョトンとして首を傾げる


「このフォーク汚いからさっ♪そっちで食べなよ」





マルコと間接キスなんてさせて堪るかっ!!!



藍ちゃんは不思議そうな顔をしながらも新しいフォークで食べてくれた・・・


















その影で・・・



「ぷっ。マルコ、わざとでしょ(笑)」


「まーねい。あいつの反応が面白くてねい(笑)」


「サッチのあんな焦った顔初めてみたなぁ〜(笑)」



鈴、マルコ、エースの3人はサッチの様子を笑って見ていた




その事はサッチ本人と藍は気が付いていなかった



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