蒼い炎(もしも)(完結)

□第八話
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サッチside


さてと・・・


昼の片づけは部下に任せ、夕飯の仕込みの時間までは休憩だなぁ〜〜


取り敢えず甲板で煙草でも吸うか・・・と思い食堂から出ようとしてふと・・・思い出した



そう言えば、藍ちゃん用の仕事場が出来上がったって言ってたなぁ〜〜


俺やマルコの服を直してくれた事を聞きつけた他の奴らも藍ちゃんに頼みだした


結構な量になり始めた事をきっかけにマルコが藍ちゃんに補正を止めさせようとしたが、本人がどうしてもやりたいと譲らなかった


自分の意思はあまり言わないって最初聞いてたけど、そういう事は引かないんだな(笑)


のんびり好きな事をしていれば良いのに・・・と俺も思ったけど、何もせずにいるのはイヤだからと・・・


ホント真面目な子だなぁ〜〜


マルコも呆れてたけど、それならと藍ちゃんが仕事をしやすいようにすぐに環境を整えた辺りはさすがマルコだ


ランドリー室の隅を改装して藍ちゃん用の仕事場を作ったって言ってたなぁ〜〜


差し入れでも持って様子を見に行ってみようかな


そう思って飲み物と藍の好きなフルーツを使ったデザートを作って藍ちゃんの仕事場へと向かった








「おっ、ここか」


ノックをしてみると・・・

返事がない・・・

いないのかな?


そっと開けてみると・・・




「・・・・寝てる・・・」


ソファに腰を掛けて座ったままの状態で寝ている・・・

作業机とその周りの棚はクルー達の服だらけ・・・

どれだけ仕事受けてるんだよ・・・

これは、時々様子を見てないと無理しそうな感じだなぁ〜〜



邪魔しないように、紅茶の入ったポットとデザートだけ置いて部屋を出ようとすると・・・



「ん・・・」

「ごめっ。起こしちゃったか?」

藍ちゃんが目を開けた・・・けどボーっとしてる?

まだちゃんと目が覚めていないのか、目がトロンとしている・・・

「(やばっ・・・。可愛い・・・)」

トロンとした目が俺を見つめ、目が離せない・・・


「・・・サッチ?」

ボーッとしたまま首を傾げ、少し掠れた声で名前を呼ばれて同様してしまった・・・


「あっ・・・あぁ・・・」


お互い見つめ合った状態が続き、俺の心臓が破裂しそうになった頃・・・


藍ちゃんの目がパチっと開き・・・


「あれ?サッチ、どうしたの?」


藍ちゃんが一気に覚醒したっ!!!!


何だろうな・・・

この子・・・

寝起きが良いのか、悪いのか・・・


覚醒するのが急すぎだろ・・・


振り回された自分が恥ずかしい・・・


「サッチ?」

気付いてないよなぁ〜〜〜

俺を振り回してる事なんてな・・・





「ん〜、何でもないよ。紅茶とデザート持って来たから一緒に休憩でもどう?」



そう言うと藍ちゃんは花が咲いたような笑顔を見せてくれた・・・




こんなに可愛い顔を見せてくれるのなら、毎日でも差し入れ持ってきてしまうよな〜〜





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