緋い炎(完結)

□第七話
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エースside

「エース、エース、これは?なに〜?」

「あ〜、それはな・・・」



鈴と藍を歓迎する宴が開かれ、あっちの世界にはなかったような料理や酒に興味津々な鈴


あっちの世界でも思ったけど、こいつ小さいのによく食うんだよな〜(笑)

藍があっちの世界で作ってくれた飯も美味かったけど、やっぱりサッチの飯も美味いっ


こいつにサッチの料理を食べさせてやりたかった


それが出来てすげ〜嬉しい


「ほら、鈴、これも美味いぞ」


鈴の皿の上にでっかい肉を置いてやると大きな目が更に大きくなった(笑)



「おっきぃ〜〜。美味しそうっ!!」

嬉しそうに笑う鈴を見て俺は満足していた


うん。やっぱりこいつは美味しい物を食べている時と遊んでいる時が一番楽しそうだな


そんな鈴の様子を見て、他のクルー達も集まって来た


そして、鈴にドンドン酒を飲ませていく



イラっ


他の奴らに囲まれて、嬉しそうに笑う鈴にイライラする

何でか分かんないけど、イライラするっ

囲まれている鈴を見たくなくて、少し離れた場所へと移動した


そんな俺に気付いた鈴が・・・


「エース?どうかした〜?」


鈴も輪から抜け出してオレの隣に来てくれた・・・けど・・・


「あいつらの所に戻ったらどうだ?楽しいだろ?」


イライラが収まらず思ってもいない事を鈴に言ってしまった



「ふふふっ。エースの隣が一番楽しいよ。でもね、エースが大事な家族だって言っていたこの船の人達と会えて嬉しい。エースのいる世界に来たいってずっと思ってた・・・
だから、ホントに嬉しい・・・エース・・・会いたかったよ・・・」


コテン・・・と鈴の頭が俺の肩に乗ったのが分かった



あっちの世界でも鈴は俺の話しを本当に楽しそうに聞いてくれた


羨ましいと・・・


いつか会ってみたいと・・・




鈴の過激なスキンシップには困る事はあるけど、あっちの世界で本当に世話になって、いつも一緒にいて、本当に楽しかったんだ・・・


だから、俺だって・・・


「俺だって・・・会いたかった・・・ん?」


鈴を見ると・・・



「おや、寝ちゃったんだね」


ビクッ!!

「藍!!??」

急に藍が出てきて驚いたっ

「エース、声がデカいよ(笑)宴の間はしゃいでたからな〜。疲れたんだろう。悪いけど部屋まで運んでもらって良いかな?」


確かに鈴は宴が始まってから酒も沢山飲んでたし、マルコ達にも絡んでた、そしてさっきみたいに他のクルー達とも楽しそうにしていたな・・・


鈴を抱える


「・・・こいつ楽しそうにしてたな・・・」


いきなりこっちの世界に来たって言うのに、ずっと笑ってた・・・


「そりゃ楽しかったからじゃない?ずっとエースに会いたいって言ってたからな〜。
この1ヶ月、本当に元気が無かったんだよ」


こいつが?

いつでも笑ってたこいつの元気が無かったのか?


そんなに俺に逢いたかったのか?


俺みたいなヤツに?





そう思ったら、何だか胸が苦しくなった・・・




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