緋い炎(完結)

□第八話
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バターンっ

「エースー、おはようー」

ドンっ!

「グエッ!ゲホゲホ」

早朝というほど早くはないが、いつも起きる時間よりは少しだけ早い時間

エースは腹部に激しい衝撃を受け、息が止まりそうになっていた

そして、その元凶は・・・

「鈴っ!!!!」

想像通りの人物・・・

エースの腹にダイブした鈴

「おはよ〜。エース」

「おうっ!おはようっ!っじゃねーよ。人の部屋で何やってんだよ」

気持ち良く寝ていた所を邪魔されて若干?いやかなりご立腹のエース

そんなエースをものともせず

「起こしに来たんだよ〜〜〜。朝ごはん食べに行こう♪藍はマルコと先に行っちゃったよ?」

「マルコ達と先に行けば良かっただろ?」


わざわざ起こしに来なくても朝食の時間内にはちゃんと起きて食堂に行くんだし・・・と思ったエースだったが・・・


「え〜。だって、エースと一緒に朝ご飯が食べたいんだよ〜。ね?だから早く起きて〜〜。お腹空いた〜〜〜」

そう言ってエースの腕を引っ張りベットから引きずり出そうとする鈴


「ったく、仕方ねーな」


そんな言い方をしながらも鈴に一緒に朝食が食べたいと強請られて嫌な気はせず、顔がニヤけるのを隠すように鈴の腕を引っ張り、その反動自分は起き上がり、今度は鈴がエースのベットへ倒れ込む形となった

「わっ」


そんな鈴を後目に

「ほら、さっさと行くぞ〜(笑)」


ベットに埋まる鈴に置いて行くぞ〜と声を掛け、先に部屋を出るエース


「ひどいっ!ちょっと待ってよっ!」


鈴が慌ててエースの部屋を出ると、扉の横でちゃんと待っているエース

その姿を見て鈴は嬉しくなった

「(何だかんだ言って優しいんだよね・・・)」


いつも文句を言いながらも本気で拒絶する事はしないエース

「えいっ!」

鈴はエースの腕にしがみついて歩き出した

「くっつくなっ!!(だから、色々と当たるんだよっ)」

「良いじゃんー」

口を尖らせて拗ねる鈴にお前は子供かっと突っ込むエースだが、相変わらず鈴は気にしない

「やーめーろー」

鈴を何とか引き剥がそうとするエースに

「仕方がないなぁ〜〜。じゃあ、これで我慢してあげるっ♪」

手を繋いだ鈴


「仕方ないな・・・(これなら色々当たらないし・・・まぁ、良いか・・・)」


嬉しそうに笑う鈴を前に手を繋ぐくらいなら・・・と妥協したが、このまま食堂に入って全員にからかわれる事となり大きく後悔するのだった・・・



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