緋い炎(完結)

□第十一話
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エースside


クソッ

イライラするっ



藍に言われて、ちょっとキツク言い過ぎたかも・・・と反省したはずだった

ただ、クルー達に笑顔を向ける藍にムカついたんだ

別にあいつが悪いわけじゃないって分かってたけどさ・・・

泣きそうな顔をしてたって聞いて急いで部屋に行ってみたのに、居なかった

食堂も探したけど、見つからず・・・

モビーは広い

もし、鈴が迷ってたら、今頃寂しい想いをしてるんじゃないかと思って他も探したけど、見つける事が出来なかった

むやみに探し回っても仕方がないと思って結局部屋の前で待つことにすると・・・

やっと戻って来た


ハルタと手を繋いで・・・

ハルタと楽しそうに・・・


何だ・・・

別に寂しい想いなんてしてなかったんだな

探す必要なんかなかったじゃねーか

別に一緒にいるのは俺じゃなくても良いんだろ

ハルタに優しくしてもらえば良い

どうせオレは・・・


『・・・鈴、悪かったな・・・』

甲板でキツイ言い方をしたのは悪かったと思ってる

慣れない船で1人にしてしまった事も


だから、その事だけを謝って俺は鈴の顔も見ずに自分の部屋に籠った












「ん・・・。寝てたのか・・・」

気が付いたら日が暮れていた

「飯・・・喰い損ねた・・・。腹減った・・・」



「ったく、そんな事だろうと思ったぜっ!」

「お前が飯を食べないなんて珍しい所の騒ぎじゃないからねい」


「サッチっ、マルコっ。何でって言うか、何勝手に入ってきてんだよ」

ノックくらいしろよっと非難すると、お前だってしないだろうと反対にマルコに言われてしまったから何も言えなくなった・・・


「ほら、飯」

「サッチ!!!サンキュー」


腹が減っていたオレはサッチの作った夕飯を一気に食べた


「ごちそうさまでしたっ」

「はいはい」



「で?どうしたんだよい?」


あ・・・

2人とも心配してくれたんだな・・・

鈴の事でドス黒い感情に支配されそうになっていたオレは少し心が軽くなった気がした


マルコは甲板での出来事を知っていたが、サッチは知らなかったから最初から全部話す事にした





「・・・というわけなんだよ。何かイライラするし、モヤモヤするし・・・」

訳分んね〜よな・・・




「「ブッ!ハハハハハッ!」」

っつ!

「何だよっ!何がおかしいんだよっ!!!」

人が真剣に話したって言うのにっ!!!


「もう良いよっ。早く出て行けよ。もう寝るっ!」


「クククっ、悪い悪い。あまりにエースが可愛いからさっ(笑)」

むっ!

「可愛いってなんだよっ!」

「エースもまだまだ子供だねい」


オレの頭をグシャグシャとかき混ぜるマルコ

「子供じゃねーよっ!」


「バーカ、自分の感情のまま女の子にぶつける男はまだまだ子供だよ」


そう言ってサッチはオレのおでこにデコピンをした

「いてっ!何すんだよ!」

「サッチの言う通りだよい。しかも、向こうの世界で世話になった女に対する態度じゃないねい」

「うっ・・・」

マルコが少し真剣な顔をして睨んできた・・・

「分かってるよ・・・」

俺だって冷たくしたいわけじゃねー

優しくしてやりたいと思うけど・・・

あいつが他の奴等を褒めるとイライラするんだ

他のヤツと仲良くしてると心の中が真っ黒になっていく感じがするんだ・・・


「何だろうな・・・これ・・・」


「ぷっ!お前マジで分かんねーのか(笑)」


「何だよ。サッチには分かるのかよ」


教えろよと言うと・・・

「ん〜〜〜。まぁ、もうちょっと自分で考えてみろよ」


むぅ〜

「教えてくれたって良いだろ〜」


「ククク。精々悩めよい。鈴だって傷ついたんだ。お前だってそれくらい悩んだって良いだろい」


・・・・・・・・


「鈴は・・・」


「食堂に来ないお前の心配をしてたよ。でも、自分は嫌われたかもしれないからってここには来なかったんだ」


「っつ!別に嫌ってなんかっ!」

そんな事あるわけないっ!


「それは、明日本人に直接言ってやれよい。明日、鈴の買い物について行ってやれよい」


あ・・・

明日の朝には島に着くんだったな

鈴達は身一つで来たからいるものを一通り揃えなくてはいけなかった


「・・・オレと鈴2人でか?藍は?」

藍は怖いけど、2人も気まずい・・・


「藍はオレとデートだよい。邪魔するなよ」


・・・・そういう事か


「ったく、良いよなぁ〜。俺も藍ちゃんとデートしたかったのになぁ〜」


「お前は船番だよい。じゃ、エース。明日は頑張れよい」



そう言って2人ともオレを部屋を出て行き1人になった・・・









明日・・・

いつも通りに出来るかな・・・・



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