声が枯れるまで〜貴方のために詠い続けよう〜(第二部)(完結)
□第六話
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ランside
今日も朝の治療が終わり部屋へと戻る
その間ずっと不死鳥が付いている
見張っているという感じではない
多分・・・心配しているんだと思う
あれからまた部屋で食事を取るようになった私に不死鳥は毎食部屋へ食事を運んでくれる
部屋から出ないと暇だろう・・・と書庫から本を選んで持ってきてくれる
この人、一番隊隊長って言ってたわよね
多分、この船の実質副船長的な役目を担ってるみたいだし・・・
忙しいはず
顔色悪いしね
軽く治してあげると私の心配をしていた
あいつはもちろん嫌いだけど、この人のせいじゃないし・・・
ん?でも、この人が私を連れてきたからこの人のせいなんじゃ??
まぁ、今さらどうでも良いや・・・
そう思っていると・・・
『ラン、クルーが少ない時間、少ない場所に甲板に出てみないかい?出来るだけ人払いもするよい』
どうやら部屋からますます出なくなった私を心配しているらしい
確かに・・・そろそろ外の空気が吸いたい
部屋に窓はあるけど、もう少し光を浴びたいな・・・
でも・・・
「誰かついてくるのよね?」
どうせ1人じゃ無理でしょ
私がそう言うと不死鳥は困った顔をした
「俺か・・・事情を知っている人間を1人だけつけさせてくれ」
人払いをしたからと言って必ずしも誰も来ない場所なんてそうそうないだろうし、何も知らないクルーと私が揉めないとも限らない
不死鳥が私を心配しているのは顔を見れば分かる
ほんと、この人も考える事沢山あって大変そうだな〜
「・・・分かったわ。1人だけなら」
そう言って不死鳥が場所や時間を調整して、数日後
この船に来て初めて甲板に出る事になったのだが・・・・
「・・・・・・・・・何であんたなのよ」
甲板に出る日、私を迎えにきたのは上半身裸男だった
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