声が枯れるまで〜貴方のために詠い続けよう〜(第二部)(完結)

□第七話
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ランside


あの男の隣に立つ不死鳥を睨みつける

「いや、ちょっと俺の都合が・・・よい」


声が小さいっ!

そして、目を逸らしたっ!


「じゃあ、他の日にすれば良いでしょ。それか他の人は?」

まだリーゼントコックの方がマシよ


多分・・・


「いや、エースも反省してるし、余計な事は言わないように言ってるから・・・よい」


まぁ・・・確かに不死鳥の隣で小さくなっているな(いや、小さくはないけど・・・)


珍しく大人しい


それに、シュン・・・て分かりやすく落ち込んでいる




「・・・・・・分かったわよ」


私がそう言うとあからさまにホッとした表情をした不死鳥と上半身裸男




そして、私は人気のない甲板で本を読む事にした


そこにはデッキチェアとテーブル


パラソルまで


飲み物、デザートまで準備済み


普段からこうなの?


海賊船には不釣り合いでしょ


私が疑問に思うと、


「マルコ達が張り切って準備してた。飲み物とデザートはサッチ特製だってさ〜」


あの人達は・・・


・・・・一応、あとでお礼は言おう



デッキチェアに座って不死鳥から借りた本を読み進める


隣の男はジッと私を見ている


読みずらい・・・


「ねぇ、あんたも読む?」


何冊か持ってきていたから読んでいない本を薦めてみた


「・・・本は読まねぇ」


「あっそ」


まぁ、別に良いや


・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・


「ねぇ、何なの?」


ジッと見すぎでしょ


ジロリと睨めば肩を竦めてシュン・・・と




そして、ボソリ・・・と


「ゴメン・・・」


「何が」


「オヤジの・・・娘って・・・言われたくなかったんだよな」


あぁ、あれね


私が一番言われたくない言葉


「もう、良いわよ」


そう言っても表情が晴れない



少し沈黙が続いた後・・・


「あ・・・のさ・・・」


言いにくそうに口を開いた


「なに」


聞いても続きが中々始まらない


そのまま待ってみる


「あのっ!あのさっ!」


だからなによ




「俺、俺・・・俺の血のつながった父親はゴールドロジャー・・・なんだ」




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