声が枯れるまで〜貴方のために詠い続けよう〜(第二部)(完結)

□第九話
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ランside



「ラン」


いつもの治療の後


船長室を出た所でナース長に声をかけられた


いつ見ても美人さんだ


「どうかしました?」


船医さんとナースさん達には一応丁寧に接している・・・つもり


医療従事者には無条件で尊敬を・・・


そんな中、ナース長は最初から何かと私を気遣ってくれる人


「何か不便はない?足していない物とかないかしら?」


そう言って微笑む


「大丈夫ですよ。部屋になんでも揃っていたので不自由はしてないです」


そう、私の部屋に・・・とあてがわれた船長室から近い部屋


空き部屋にしては綺麗に掃除され、家具や風呂・シャワー、服類など全て備わっていた


身軽出来た私が何の不自由なく、不足なく過ごす事が出来ている


最近エースに聞いてみたら、その部屋は空き部屋だった・・・と


誰も使っていない部屋にこんなに物が揃っているの?


ずっと不思議に思っていた


「あの・・・」


聞いてみようかな・・・


「なぁに?」


綺麗に微笑むナース長


「私が使っている部屋って・・・誰の部屋ですか?」


「あなたの部屋よ」


いや・・・そうでなくて・・・


私の心の声が聞こえたのか・・・




「以前からあなたの部屋なのよ」


「・・・・え?」



ナース長はそれだけ言って微笑んで戻っていった



どういう事?


以前から?



私はそのまま食堂へと足を進めた



やっと最近一部の場所はマルコが付いてこなくなった


と言っても、船長室、自室、食堂

この3つに行く時だけだけどね

マルコ曰く、慣れてきたみただから・・・と


最近は食堂に行くようになっているしね


食堂に行くと・・・


「おはよ〜ラン」

「おはよう。エース」


なんだか懐かれたエース


毎朝治療中にやってきて騒ぐものだから食堂で待て・・・と言ったものだから私が行くまで食堂で何も食べずに待っている


おかげで食堂にいくしかなくなった私



「おはよう〜、ランちゃん」

「おはよう、サッチ」


変な人だけど、ご飯が美味しい


「あれ?マルコは?」


私をこの船に連れてきた張本人


不死鳥


「おはよう、ラン、今日もちゃんと食堂にきたんだねい」


「おはよう、マルコ。ねぇ、ちょっと聞きたい事があるんだけど・・・」







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