おまけの私

□お迎えに
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エースside

「・・・は?」

今なんてった?サボ・・・

予定のない休日

リビングのソファでダラダラとテレビを見ているとサボが驚くべき言葉を言い放った


「だから〜、俺、結婚する。父親になるんだ」

嬉しそうに話すサボ

「一応確認するけど・・・相手、アサヒだよな?」

「当たり前だろ(笑)」

そうだよな・・・

でも・・・


「・・・父親って・・・早すぎねぇか・・・」

あいつになんて言えばいんだ・・・

もう一人の幼馴染

アサヒの妹・・・ルナ

サボと結婚するってガキの頃から言っていたルナ


そのサボが実は少し前からお前の姉ちゃんとサボが付き合っててガキが出来て結婚って・・・

いや・・・サボ達はちゃんと考えての事だろう

子供を作った事や結婚の事をどうこう言うつもりは無い


元々付き合うって話しを聞いた時も結婚前提って言ってたしな


「はやい・・・か?まぁ、そうだなぁ〜。でも、すげぇ嬉しんだ。家族が出来るんだ・・・俺に・・・」

その気持ちは痛いくらい分かる

この家でルフィと三人、家族同然に暮らしていても心のどこかで感じる孤独

ルフィは大事な弟だけど、本当の家族はまた別なんだろうな・・・


「おめでとう・・・サボ」

「ありがとな。エース」

・・・とここに来てサボがスーツ姿だという事に気が付いた

土曜日なのに仕事か?と首を傾げる俺に・・・

「今からアサヒんちに行って、おじさんとおばさんに挨拶してくる。ルナもいるって言ったし・・・もうあいつにも話していいだろ?」

・・・サボ達が付き合ったって聞いて、ルナに話すのをもう少し待ってもらっていた

出来るだけあいつが傷付かないように話そうと思ってたんだけどな・・・

「・・・俺も行く」

そして、2人で隣の家へと向かった



「「お邪魔しま〜す」」

インターフォンも鳴らさずに慣れた隣の家の扉を開ける

休日の日中は開けっ放しなんだよなぁ・・・この家・・・

いつものように勝手に開けて声をかけると


「サボ・・・エースも来たの?いらっしゃい・・・」


出迎えたのはアサヒ

「えっと・・・おじさん達に挨拶に来たんだけど・・・何かあった?」

俺でも分かるくらいにアサヒの様子がおかしい

しかも・・・

「ルナは?」

サボが来ると飛びつかんばかりに玄関まで出迎えるルナが今日はいなかった


「実はね?先に話しちゃったの・・・我慢出来なくて・・・そしたら飛び出して行っちゃった」


最悪だ・・・

「何で先に言うんだよ・・・」

アサヒもサボもルナがどれだけサボを好きなのか分かってないんだよ

「だってぇ・・・サラッと言ったら何とかなると思ったんだもん〜」

はぁ・・・

あいつ、泣いてるだろうなぁ・・・

いつもはルナを泣かすのは俺で・・・

いや、最近は泣かしてないぞ?

子供の頃の話だ・・・多分・・・


そしてアサヒとサボが慰めればすぐに泣き止むのだが、今回はこの2人が原因だしなぁ・・・


「俺、迎えに行ってくる」

「・・・エース・・・大丈夫?」

「・・・さらに拗らせるなよ?」


・・・・大丈夫だ・・・多分・・・




そして、俺が向かった先


家からそれほど遠くない喫茶店



「マキノ、あいつ来てるだろ?」

「あら、今日のお迎えはエースなのね?いるわよ。奥の席」


サンキューとマキノに礼を言って半個室のようになって、周りの視線が気にならない席へと向かう


ここはルナのお気に入りだ


「ルナ」

名前を呼ぶと涙でグシャグシャになった顔を上げるルナ



俺は思わず抱きしめていた



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