百花繚乱〜恋せよ乙女〜

□牡丹の君_05
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シャンクスside

「異世界・・・か・・・」

ポツリと呟いたベンの言葉に牡丹は地図を見るために下を見ていた顔を上げた

「異・・・世界・・・ですか?」

信じられないような事だが、そう考えれば辻褄が合うな

俺たち赤髪海賊団の名前を聞いても何の反応もない事も、この大海賊時代に海賊の存在を認識していない事も

そして、牡丹に地図を見せても自分の知っている物とは違うという事も

牡丹の言っていることを俺たちが理解できない事も

全て説明が付くな・・・

ベンも同じ事を考えているのかジッと牡丹を見ている

ベンの場合は牡丹が嘘を吐いていないか、この船にとって、俺にとって害がないかどうか見ているんだろうな〜

そして同じように牡丹はジッと俺を見ている

アメジストのような綺麗な瞳だが、何もかも見透かされそうな深い紫色の瞳に吸い込まれてしまいそうだ


牡丹もまた、今の状況を把握するために俺たちの様子を伺っているのだろう


そんな牡丹に笑いかけて、ベンに声をかけた



「ベン、宴の準備をさせろ」

唐突にそう言った俺の言葉にベンは驚くこともなく片手を上げて部屋を出て良く

「ドクター、牡丹は参加させていいだろう?」

「無理させないならな、酒は禁止だ」

宴で酒が飲めないなんて可哀そうじゃねーかっ・・・と抗議するがそれは受け入れてもらえず、俺が渋々折れる形になる

そんな俺たちのやり取りを牡丹はきょとん・・・とした様子で眺めていた

「なぁ、牡丹、ここはお前のいた世界とは違うらしい。どこか島で降ろしてやる事も出来るが、世間の事何も知らないだろう?」

そうでなくても、若くて綺麗な牡丹はすぐにでも攫われて即ヒューマンショップ行きだ

「・・・お恥ずかしいですが、その通りです」

牡丹は眉を下げて困ったような顔をする

「だからさっ、この船に乗れよ。男ばっかりでむさ苦しいけど、気のいい奴らばかりだぞ」

むさ苦しいは余計だ・・・とドクターが言っているが無視だ(笑)


「・・・良いのですか?」

「ああ、これも何かの縁だ。あちこち旅してりゃ牡丹が元の世界に戻る方法も見つかるかも知れないしな。」

「・・・ありがとうございます」

そう言って微笑んだ牡丹の顔は本当に綺麗だった・・・


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