落花流水の情(完結)

□第六話
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アンside


「久しぶりの地面だ〜♪」

昼過ぎに島に着いた

今回の島は中々賑わっていてから色々手に入りそう〜

本当はエースと買い物に行きたかったんだけどな〜〜

サッチと約束したから・・・と断られちゃった




モビーに乗るようになってからエースは丸くなった

元々優しかったし、仲間は大事にしていたけど、今は年上のクルーが多く、船長ではなくなったせいか純粋に楽しんでいる事が多い

エースの世界が広がった

それはとってもいい事だと分かってるけど・・・


寂しいな・・・

昔、良く置いて行かれた時の事を思い出す

置いて行かれたくなくて強くなったけど、やっぱり置いて行かれちゃうんだよね・・・

私も男に生まれたかったなぁ〜〜


って考えても仕方がないかっ!

偶には1人で買い物を楽しもう〜〜



いつもはエースが一緒で着たい服は選べなかったんだよね♪






「これとこれと〜、これもお願いしま〜す」

今まで着た事がなかったような洋服を数点選んだ

「あっ、これは着て行っても良いですか?」

「はい、もちろんです」

店員さんがその場でタグを全て外してすぐに着れる様にしてくれて、着ていた洋服を包んでくれた


「やっぱりスタイルが良いからよくお似合いですね〜」

リップサービスだろうけど、やっぱり褒められると嬉しいな〜


「ふふふ。ありがとう」



いつもと全然違う格好

慣れなくてちょっと違和感があるけど楽しいなぁ〜〜



ルンルン気分で歩いていると・・・


あっ!

マルコだっ!

前方から気怠そうなマルコが歩いて来た


「マ・・・」

手を振ってマルコと叫ぼうとしたのと同時にマルコの腕に綺麗な女の人が絡みついた

あ〜、マルコもかぁ〜〜


エースとサッチも私には何も言わなかったけど、女の人のいるお店に行ったのは知っていた

エースがそう言うお店に行くのは正直嫌だったけど、男の人はしょうがないらしい

そこは気付かない振りをしてやって欲しいと前の、スペード海賊団のクルー達に言われた事があった



買い物も終わったし、暇だからマルコに遊んでもらおうと思ったんだけどなぁ〜〜


仕方がない、1人でブラブラしようと踵を返すと


「アンっ!」


「えっ?」

気付かない振りをして背を向けた私にマルコが声をかけてきた


振り返ると、マルコの腕に絡みついていたお姉さんを振りほどき


「悪いねい、今夜はこいつと約束があるんだよい」

マルコはお姉さんに向かってニヤリと笑い、私の腰を抱いて歩き出した

「えっ・・・?マ・・・ルコ?ちょっ・・・」

近いっ

マルコ近いよっ

歩きにくいしっ

「あの女しつこいんだよい。悪いけど、少しこのままで歩いてくれよい」

マルコの腕が長いのか、密着し過ぎているせいか、腰を抱かれているというよりはお腹に手が回ってる

「それにしても・・・なんて格好してるんだよい・・・」

マルコが呆れたように私を見下ろす

「だって・・・」

そう、さっき買ったばかりの服は今まで私が着た事がないような服


丈が短くぴたっとしたトップスにかなり浅いローライズジーンズ

お腹と腰を露出していた

だから、マルコの腕と手の平が直接肌に触れて熱い・・・


「あぁ、これだとオヤジの印が見えるのか」


腰に回した自分の腕を少しずらし、私の右腰に入ったタトゥーを見た

つい先日入れたばかりのタトゥー

この印を見せたくて腰が見える洋服を買ったのだった


「そうっ、だから新しい服を買ったの♪だって、せっかく入れたばかりなのに見せないと意味ないでしょ〜」


「気持ちは分かるけどねい・・・その格好は・・・肌を見せすぎたよい・・・」

そうかなぁ〜

確かに今までこんな服着てなかったから、私もちょっと恥ずかしいけどさ・・・

「エースなんて上半身裸だし、マルコだって似たようなもんでしょ」





軽口を叩いているけど、私の意識はずっとマルコが触れている腰とお腹に集中していた

最近・・・マルコが違う人に見えてしまう



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