緋い炎(完結)

□第六話
2ページ/2ページ

エースside


鈴達をオヤジに会わせた後鈴に船内を案内した



「すっごい広いね〜〜〜」


「まぁな、鈴、迷子になるなよ(笑)」



鈴達の世界でも思ったけど、こいつはそんなに頭が良くない(笑)


近所の公園に行くのに何故か迷ってたからな〜


「ん〜〜。迷子にならない自信はないっ!」


言い切りやがったコイツ・・・


「・・・・一人になるなよ・・・」


危なっかしいな・・・



「じゃあ、いつもエースと一緒にいるよっ」


「うわっ!」


腕にしがみついて来たっ!


「(だからっ、しがみつくと当たるんだってっ!)」


分かってんのかな・・・


小さくて細いくせに柔らかいんだよな・・・



「くっつくなっ!」

「なんで〜〜〜っ!」

「何ででもだっ!」


プーと頬を膨らませる鈴


お前は子供かっ!







結局オレの腕から離れない鈴を引きずって食堂に着いた



「おっ、鈴ちゃんにエースどうした?」


「サッチ、何か飲み物くれ」







鈴と食堂で休憩しているとマルコが来た



「鈴、部屋の用意出来たよい。俺とエースの部屋の間だから後でエースに案内してもらえよい」


さすがマルコは仕事が早いな


「エースと同じ部屋でも良かったのに〜」


「イヤだっ」


色んな意味でイヤだっ


「クスクス。冗談だよ〜。ところで、マルコ藍は?」


そう言えばいないな・・・



「あぁ、俺の部屋で寝てるよい」


んん?


鈴の表情が・・・

変わった??


「どうかしたのか?鈴」



「ううん。ただ・・・藍はやっと寝たんだなぁと思って・・・」



俺たちが帰った後、藍はあまり寝てなかったと鈴は言った



そして・・・



「良かった・・・」



そう言った鈴が寂しそうに笑った










あんな顔初めて見た・・・


いつもバカみたいにふざけていて、明るい鈴のそんな顔・・・



見たくねー










「うわっ、なに?エース?どうしたの?」


無意識でグシャグシャと鈴の頭を撫でていた



「何でもねーよ・・・」


髪の毛がグシャグシャになったのに、何故か鈴は嬉しそうに笑っていた・・・



うん。


いつもそんな顔をしてろよ・・・


いつもバカみたいに笑ってろよ・・・


その方が・・・


ん?その方がなんだ?


・・・・・・・・・


まぁ、良いや





「さて、まだ半分も船内みてねーよ。行くぞ」



そう言うとまた鈴が腕にしがみついて来たけど、さっきほどはイヤじゃなかった・・・






_
次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ