声が枯れるまで〜貴方のために詠い続けよう〜(第二部)(完結)

□第七話
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ランside


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さすがにびっくりした

予想外のカミングアウト

え、これ私聞いても良かったの?

結構なトップシークレットよね・・・


でも・・・


「ふ〜〜ん」

まぁ、この人の親が誰でも関係ないしね〜


「・・・・・・ふ〜〜ん・・・ってそれだけか?」


「それ以外に何が?」


「だって、海賊王の息子だぞ?鬼の子だって・・・ずっと・・・」


あ〜、そういう事ね


子供の頃からずっと言われ続けたのね


自分の父親のせいで傷ついてきたのね・・・


その気持ちは分かる・・・


「でも、あんたの親が誰でも私には関係ないわよ」


って他人事なら言えるのよね



「それに、あんたはあいつの子なんでしょ?この船のクルーは全員あいつの子なんでしょ?それで良いじゃない。私はあいつが嫌いだけど、それをあんたたちに押し付ける気はないわ」


私の気持ちは私だけのもの


「だから、あんたも私に押し付けないで。あいつと私は他人。ただ病気を治すためだけに乗っているの」



「ん、分かった、なぁなぁ、俺の事、あんたじゃなくて、エースって呼んでくれよ」


・・・・・・まぁ、良いか


「分かったわよ。エース」


そう言うと満面の笑みを見せたエース


その笑顔はどことなく・・・彼に似ていた



それから私達は色々と話をした


一番話したの母親の話


エースは出産時、私も子供の頃に母親を亡くした


「母親には感謝している」

命がけでエースを守った母親

「私もよ」

愛情を注いでくれた母さん


この船に来て、初めて本音を話せる時間だった


「なんで・・・俺を産んだんだろうな・・・俺が産まれなければ・・・」


そうね・・・私も考えた事がある


あいつとの子である私を産まなければ、母さんには別の人生があったのかもしれない



でも・・・






「愛されていたのよ。エースも・・・私も・・・」


そう言えば、母さんがいつも私に言っていた


『愛してるわ、ラン』


死ぬ間際までそう言っていた


何で忘れていたんだろう

私は愛されていた


母さんに・・・



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