dream
□What am I gonna do? (2)
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【チーside】
誉くんのアドバイスを受けて、
私たちは完治くんと健人くんにそれぞれ電話を掛けた。
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沙織「うーん……
完治くん出ないなぁ。
チー?健人くんは出た?」
チー「んー……出ないなぁ。
呼び出し音じゃなくて留守番電話サービスに直接繋がっちゃった……」
沙織「健人くんは部活なのかな。
3年になって部活引退してからも、たまに部活に顔出してるって言ってたもんね」
チー「そうかも。
練習中じゃ電話出られないもんね。
完治くんは……補修かナンパかな」
沙織「うッ………ありえる……」
チー「でも完治くんが電話に出ないなんて珍しいね。
完治くん沙織ラブだから、沙織からの電話なら、どんな忙しくても絶対出そうなのに」
沙織「もう、チーったら!」
……なんて冗談を言い合いながら、
また3階の窓を見上げる。
沙織「まだ話してるね……」
新堂先生と女の子は、ずっと楽しそうに話している。
どこの制服だろう。
薄いピンクのシャツに赤いリボン。
紺色のカーディガン。
スカートは見えないけど、恵比寿女子の生徒ではなさそうだ。
ショートボブのふんわりしたヘアスタイル。
目鼻立ちの整った綺麗な顔。
背の高い新堂先生と並んでも身長差が激しくないようだし、モデルさんみたい。
血相を変えてこの場から走り去ったナカムーを思い出し、胸が痛んだ。
チー「沙織、そろそろ駅の方行かない?
ナカムーのことも気になるし。
私はナカムーの家に行ってみようかなって思ってるんだけど」
沙織「そうだね!
私も一緒に行くよ。
あ……でもいきなり押し掛けて大丈夫かな?」
チー「念のため電話してみるね。
……………あれ、ナカムーも出ない」
沙織「そっか………。
じゃあナカムーにはメール入れて………。
よし、とりあえずナカムーの家に行ってみよう!」
チー「うん!」
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