FAIRY TAIL nl

□届け!
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「ナツー!」

「あー?なんだ、ルーシィじゃねぇか」

「どーしたの?」

ギルドを出たナツにルーシィがパタパタと走ってきている、と思ったら驚愕の表情を浮かべられた。

「どうしたのって……アンタまさか忘れたの?!」

俺の隣にいるハッピーが不思議そうな顔をしてルーシィを見、次に俺を見る。

「?」

「やっぱり忘れてたーっ!」

ルーシィが頬を膨らませていう。

「今日は私と買い物に行くって約束したじゃんっ」

「げっ」

「ナツ……そんな大事なこと忘れてたの?」

ハッピーが俺を呆れた目で見てくる。

「ナツ……」

ポツリとつぶやかれた寂しげな声音にギョッとする。

「る、ルーシィ?」

「私と行くの…嫌だった……?」

「ち、ちげぇよ!」

慌てて否定した。

こういうとき自分の馬鹿さがイヤになってくる。

「ごめんね…、いちいちこんなことで……」

ーーーガシッ

「だぁーーーっ」

俯いてしまったルーシィの肩を掴みいきなり大声を出した俺にルーシィもハッピーも唖然とする。

「俺が悪かった!ルーシィは悪くねぇ!さぁ、思う存分殴れぇぇ!!」

「イヤ、殴らないわよ?!」

「だって怒ってるだろ!?」

「怒ってないしっ」

その言葉に思わず、へっ?と情けない声が出た。

「え、ちょ、なんで?」

「怒らないわよ……。ただ、ちょっと寂しかっただけよ」

「……ワリィ」

先程よりももっと下を向いて呟く。

「(どうしたらいいんだ?ルーシィが俺のせいで)」

ぐもぉ、と1人百面相をしている俺に気づいたルーシィが眉根を寄せる。

「ナツ……?何やってんの」

「……ルーシィ。俺はお前のこと嫌になったりしねぇよ、絶対。仲間だし……大切な、俺の大切な……っ」

俺の言葉にハッと顔をこわばらせたルーシィ。

「だから、ワリィっ済まなかった。悪気はねぇんだ。信じてくれ。」

ギュと目を閉じ反応を待つ。

伝わっていてくれ、届いてくれ、と。

「……ーーー」

ルーシィが口を開く気配がする。

「………どぅえきとぇるぅ」

「「……………。」」

ハッピーがいたこと、忘れてたわ。何でこのタイミングでいうんだよ。ルーシィの返事きけねぇしハズいわ。

「ハッピー……もうちっと空気読めや」

「あいっ」・ω・)つ

「あああああああああ〜」

頭を抱えてしゃがみこむ。

立ち直れる自信がねぇ。

ヤベェ、いろいろヤベェ。



頭を抱えて悶々と悩んでいると、

「大丈夫。アンタの言ったこと、信じてるから。」

「え?」

声のする方を見上げると、ルーシィがニッと笑っていた。

「ねぇナツ、ハッピー、仕事いかない?」

「仕事ー?」

ルーシィの言葉に俺は立ち上がりわらう。

「おう!行こうぜ!」

そうして歩き出す。

いつもと変わらない、仲のいい騒がしく賑やかなひととき。


大切な仲間、大切なーー俺の恋人。


end
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