FAIRY TAIL nl
□Christmas 2015ver.
1ページ/2ページ
「はい、コレ」
「……なんだ?コレ?食いモンか?」
「なわけないでしょっ!」
相変わらず騒がしいギルドの中。
外に1歩踏み出せば寒いが、この喧騒の中ではむしろ暑い。
そんな中(珍しく)グレイと喧嘩もせず1人カウンターでボケーッとしていたナツにルーシィが声をかけた。
そして、今に至る。
彼女から手渡されたのは手のひらサイズの小包だった。
「いいから開けてみなさいよ」
「おー」
なんだろうと、ほんの少しワクワクさせながら丁寧にその包をといてゆく。
「(意外とそこらへん丁寧なのね…)」
ルーシィがひとり感心していると中身を見たナツがおぉーっと声をあげた。
「キレーだな!コレ」
ナツの手には小さな銀色のクリスマスツリーだった。ツリーにはピンクと黄色の2色の星で飾り付けられており、どうやら魔力に反応して光るようだ。
「くれんのか!?コレ!!」
「えぇ、もちろん」
サンキュ!と舞い上がりかけたナツだが、あ、と声を漏らす。
ルーシィがなんだろうと思っていると、ナツがその肩をガシリと掴む。
「ルーシィ、オレなんも用意してねぇ!!」
「え?いや、別に気にしなくても…」
「いや、オレの気がすまねぇ!!なんか欲しいもんあるか!?」
「えー……」
やっぱり気持ちだけで嬉しいから大丈夫、と言いかけたがーーー
ーーチュッ
小さなリップ音を認識した時には既にルーシィはナツの腕の中だった。
「明日!絶対用意するから!」
そういうとナツは猛ダッシュでギルドを出ていった。
「………………っ」
「もう、いいわよ!貰ったからぁ!」
お金じゃ手に入らないプレゼントを