話の長い理屈やさん
□くるりくるり、くらり ep1
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人はとても欲深い。
それはきっとアダムとイブの時代から始まって今まで何も変わらない。
そしてそれが人が人たる所以だったりするのかも知れぬ。
自分を他人と異なる自分として認識するからこそ抱く嫉妬やコンプレックス。
他人のようになりたいと願い、自分にはないものをねだる。
少しでも劣るのが嫌で自分よりもすぐれたものを見れば、
群衆から外れるようにしくみ排除しようとする。
神様など信じてなどいないはずなのに、
神に願う。
「どうか私の願いをかなえてください。」
占い師が祈祷師が、儲かるのも人間だけであろう。
その願いは途切れることはない。
そう、人は死ぬその間際まで何かを願う。
もしかしたら死して尚何かを願うのかもしれない。
ここで勘違いしてほしくはないのは私はそのことについて批判したいわけではないということだ。
むしろそこが人が美しいと思う所以であるのだから。
短い一生を漸く生きよ。
ただ、生きよ。
さて君は自身の先に何を見るのだろう。
もし君がその短さを嘆くのなら
それこそ時間の無駄なのだ。
変えようのない過去を嘆くよりも
可変の今を見つめて生きるのだ。
願い、呪い、願われて。
君の先に幸おおからんことを私は願う。
・・・・まぁしかし、神様やら石やらにあまりにとらわれぬようになさい。
それだって一種の時間の無駄かもしれぬ。
天然石商「リュイーヌ」看板猫
黒猫の条々の手記より抜粋