リヴァロさんと愉快なユニットたち

□フタリタビ
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「ゾディアック」

『何ですか?』

「足……辛くないか?」

『大丈夫です。まだ頑張れます』

「いや、それ大丈夫じゃないだろ……」

どこでこんな話をしているかというと、ユナイテッドサンクチュアリの中でも屈指の高さを誇る山の麓……
の村。

実は、リヴァロからの依頼で俺は2週間ほど世界を旅することとなった。
そこまでは前と同じだったのだが……
一つだけ問題があった。

それが、今隣で辛そうな顔をしながらも必死についてきている彼……ゾディアックの存在である。

見た目以上にナイーブで寂しがり屋であるゾディアックは仕事で家を開ける度にさみしそうな顔をする。
それはそれは物凄く
しかもたった1日でも

周りからは寂しそうに見えないらしいが俺には分かる。
とてつもない「一人にしないでください」オーラが…………。

1日でもそんな感じであるゾディアックを二週間もほうっておけばどうなるか分かったものではない……。

という訳で今回は新婚旅行も兼ねて連れてきたわけだ。

…………結婚していたのかという野暮なツッコミはナシにしてくれ。



『ゼロ!あれは何ですか?』

不意にゾディアックは近くの岩場を指さす。
そこには、陽の光を浴び美しく光り輝く鉱石が驚くほど整然と並んでいた。

「あぁ、確か。あの道は聖域につながるルートだったはず……」

聖域の歪は調査し終わっているし、もし増えていたら聖域の龍が教えに来るだろう。

それにしても、この麓の村に出来たという歪が見つからない。

デマだったのかと思ったが、センサーが反応している以上それはないのだろう。

「今日は遅いし、ここに泊まって明日また……って、ゾディアック!」


少し考え込みすぎていたのか、目を離した隙にゾディアックは俺が向いている方向と逆の方向に向かっていた。

慌てて後を追うとそこには、探していた歪が…………。

『ゼロ!見つけましたよ!ヒズミ』

「……ゾディアック」

嬉しそうに胸を張って報告してくれるのは可愛いからいいんだが……。

いきなりどこかに行くようなことはしないで欲しいな……。
心臓に悪い……(´・ω・`)

『……ゼロ。私は余計なことをしてしまいましたか?』

シュンとしたゾディアックが可愛いから許そう。
うん、そうしよう。

「余計どころか大手柄だ。ありがとうゾディアック。お陰で明日は次の場所に出立できる」

『本当ですか!?役に立てたんですね?』

「あぁ」

嬉しそうにニコニコするゾディアックに俺も笑いかけると、すぐ地図の場所に歪の場所の印を付けその場を離れる事にした。

もちろんその際ゾディアックをお姫様だっこするのを忘れずに……。

『ゼ……ゼロっ///下ろしてください!』

「だーめーだ。
これ以上無理するとほんとに足を痛める。
俺もずっとおんぶして行くわけにもいかないからな」

ジタバタするゾディアックにそう言うと、ゾディアックはすぐ大人しくなった。
か細く「すみません……」と聞こえたが、別にゾディアックが悪いわけでもないので「大丈夫だ」と返しながら宿へ向かった。
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