リヴァロさんと愉快なユニットたち

□CBDの日常2
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(カオブレ)
「……今日は清々しくて素晴らしい空だな……」

(カオブリ)
「そうですね……」

「……こういう時には外にでも出て買い物にでも行きたいものだ」

「……そうですね……」

「なぜ……こういう時に限って外に出られないんだろうな?」

「……なぜなんでしょうね」

「「…………」」


(ゼヰール)
「……んなもんおまらえ全員一斉に風邪ひいたからだろうがーーー!!!」






何故こんなことになったのかはさておき(おくな)

俺はゼヰール、リンクジョーカーの中で唯一何故か理由はわからないが風邪にかからなかったユニットだ。

俺が屋敷に来た時からどうやらこんな有様で、俺も移されないようにきちんとマスクをしている。

しかし、屋敷に最初に入った時は地獄だった。

全員がうめき声上げながらぶっ倒れているもんだから新手の敵の仕業かと思ったほどだ。

まぁ、エイリアンの俺にはわからないが、どうやらサイバー系のユニット(ロイドもフェアリーもビーストもゴーレムも)電脳系のウイルスに感染されて生き物と同じ病気にかかるらしい。

困ったことにサイバー系はそのウイルスに対抗する手段……まぁワクチンとかそういうやつな?それが無いだそうだ。
治るまでは絶対安静って感じらしい。
自然治癒する分下手な生き物のウイルスよりはましな気がするが。
時には意識に干渉して凶暴化させるものもあるから気をつけないといけないってことをついさっきゼロから聞いた。

まぁ、当のゼロもひどく咳き込んでて苦しそうだったな。

ゼロが苦しんでいるのを見ていられなかった俺はまぁノリで全員の面倒見てやるって言っちまったんだ。

感染経路や治療方法があればなんとか出来るんだがそういうのが一切ないってなるともう俺としてはお手上げなんだが………………。

まぁ、言っちまった限りには実行するのが俺だからな。
ちゃんと全員の面倒は見ている。

とはいえ全員ウイルスと格闘しているから水が欲しいとかそういうのしか聞かないけどな。

食事は逆にウイルスと戦うエネルギーを消化に持ってかれるからダメだとか言ってたな。

そこんとこは人間と一緒かよっ!とか突っ込みたかったがあえて突っ込まなかった。


あぁそうだ。ほかのデリーターはなぜ倒れたのか言ってなかったな。


食いすぎだ。ただの。


珍しくゲヰールが当選くじ当てたとかでおごってたのを見た。

自分で言っててあれだが理由がしょうもないな。


まぁそんなことで俺だけピンピンしてたんだ。
その日は仕立ての仕事が立て込んでたからな。

まぁ翌日こんなことになるなんて絶対に思わないが。


「……ごほっ……ごほっ」

「……?ゼロ、お前何勝手に出歩いてるんだよ。お前要安静組の独りなんだからな」

後ろから咳き込む音と引きずるような足音が聞こえ振り向くとそこには壁によりかかりながらこちらに歩くゼロの姿があった。
何かあったのかとゼロに近寄るが、ゼロは意識が朦朧としているらしく俺の声は聞こえていないようだ。

「……っ……あ」

「おい、ゼロ。しっかりしろ」

ふらふらと危なかっかしく歩く姿はひどくそそられ……げふん
庇護欲を掻き立てられる。

俺とゼロが今いる廊下はゼロの部屋からは少し遠い。
一体どうしてここまで歩いてきたのだろうか……という疑問はあるが、それ以上は考えても無駄だと感じてゼロの部屋へと向かう。

しょうがないからゼロは抱き上げていくことにした。

「……ぅ……」

時折軽く苦しそうにうめくゼロに少し水を飲ませると落ち着いたのか寝息も安定してきた。
熱があるという訳では無いがどうやらゼロは重症の部類らしい。
ほかの奴らを見てもゼロの方が顕著に症状があらわれていた。

「……これでよし、と」

少し可愛そうだがまた出歩かれると困るので扉に鍵をつけほかの奴らはどうなっているか見に行くと、案の定何人かはゼロと同じような状態になっていた。

「んー。これホントに治んのか?」

全員という訳では無いが症状が重篤な奴らは酷く辛そうだった。

この時ばかりは何も出来ない自分の力量が恨めしい。


そんなことを思いながら手を握りしてた時だった。
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