リヴァロさんと愉快なユニットたち

□追憶―かつての光、新たな想い―
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そう……常識も名もなかったあの頃の俺は……生き急いでいた。


―「ちっ、あんた誰だよ」―


―「あらあら、女性に対してあんたとは……レディに対する常識がないのね」―



生きる場所がない俺は、ずっと何かを破壊して場所を探していた。


そんな俺に臆せず話しかけてきた女性


彼女は本当に変わった人だった。



―「あら、あなたは壊すのが好きなの?」―


―「別に……好きなもんか」―


―「なら作ってみたらどうかしら」―


―「作る……?」―


そう言って渡されたのはパズル……
なんとなく始めるとものの十秒で出来上がった。

女性はそれを見て飛び上がって喜ぶ。
あの時は分からなかったが、そのパズルはかなり難易度の高いもので十秒なんて時間で解けるようなものではなかったらしい。

そんな女性を見ながら俺はあの頃何を思っていただろうか…。


ただただ変なやつだと思っていた気がする。


俺はいつも周りから恐れられ、孤独だったのだから。


あの頃は……近寄ってくるやつが変なやつにしか見えなかった。
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