リヴァロさんと愉快なユニットたち

□TWINHheart―託された命―
2ページ/9ページ



「っ…………」


満月の輝く夜…………

聖域は異様な空間と成り果てていた。




生き物はそこから姿を消し
まるで何も無い空間のようにその場所は佇む。




その中心にいるのは一人の少年。



少年は……苦しそうに息をしながらうずくまっていた…………。



「っ…………まだ……」



まだ…………消えたくない……



その思いは涙となってこぼれ落ちていく。






ソウルセイバードラゴン……
その肉体の中には本来ファントムブラスタードラゴンとなるべく存在した魂が入っていた。


そうしてファントムブラスタードラゴンの中には……ソウルセイバードラゴンの魂が………………。



二つの魂は肉体と反発し合い、徐々にその命を削っていく。



そうして……。



その存在はこの世から消えるのだ……




「……苦しいよ……」




(体中が痛くて……軋む)




反発に耐えきれなくなった体は悲鳴をあげ、ソウルセイバーを苦しめる。

しかし、彼はこの歪んだ聖域からは出ようとしなかった。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ