短編倉庫
□クリスマスイブの光 (紅黒)(G)(ほのぼの?)
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“クリスマス”
それは聖書でイエスキリストの生まれた日であり日本にとって大晦日正月と並んで人気なイベント日の一つ……
でも、私にとっては……………………
『大したことない平日なんだよねぇ〜
(´・ω・`)』
ちなみに私は今デスクに積まれた書類を見ながら意気消沈している。
書類多すぎ。
もう帰りたい。
「ゆーくん。仕事どうですか?」
『どうもこうも、いっこうに減りませんよ』
本来だったら支部長になっているはずの雀ヶ森レン……。
そんな彼が目の前で優雅にお茶をたしなみながら話し掛けてきたらあなたはどうします?
殴りたくなりますよね?( o言o)
「手際悪いですね〜。そんなんでやっていけるんですかー?」
『文句は受付けておりません。茶化すんだったらほかのヤツ茶化してこい』
ほっとくと面倒臭いので「こっちに来んな」アピールをしつつ少々キレ気味に呟く。
「ゆーくんいじるのが好きなんです!」
『大迷惑です!』
……最近はずっとこんな調子だ。
クリスマス近くなってから何故かレンさんは私を急かすことが多くなっていた。
どうせ予定なんてないからフツーに仕事して帰りにケーキでも買ってセンと一緒に食べようかと思っていたんだけど…。
どうやらレンさんはそれすらさせてくれないらしい…。
「これが終わったら所定の場所に来てくださいね(笑)」
『それ絶対ですか?』
仕事まだあるのに…。
「仕事僕も手伝いますから」
そう言ってパチンとウインクするレンさんに少しだけ鳥肌が立ったのはここだけの秘密にしておこう…。
『え?いいんですか?』
私は今考えたことを頭の隅に追いやってありきたりな返事を返す。
「えぇ、ほら、半分ください」
そう言ってレンさんは半分ほど書類を持っていくと手早くそれらを処理していく。
『やっぱり、貴方が支部長の方がしっくりくるんですけど…』
仕事姿様になってるぜレンさん
「ふふ、そうですか?でも、やっぱり支部長はゆーくんじゃないと」
『何でですか?だって私リンクジョーカー使いですよ?
クランマスター兼任させられているんですよ?』
そう、いけ好かないことに私はリンクジョーカーのクランマスターなるものまで兼任している。
これは完全にあの「うどん野郎(伊吹コウジ)」のせいだ。
いつかあのうどん吹っ飛ばしてぇ…(怒)
そんなこんなで時も過ぎて何とか終わらせることが出来た。
殆どレンさんがやってくれたので大してやってないようなもんだが…。
「じゃあすぐに支度をしてください♪待ってますね?」
にこやかに手を振るとレンさんはそのまま部屋を出た。
『はいはい、分かったんで先行っててください』
デスクの荷物を片付けながらぼやきつつ、私は1人で窓から見えるビル群を眺める…。
…今の生活は嫌いじゃない。
むしろ、一生このままでもいいと思えるくらいだ。
でも、やっぱりどうしてもホームシックと言うのか何と言うのか…
何かが足りない……
何かが欠落した今がある。
それが「誰のせい」でなっているのかも想像はついていた。