リヴァロさんと愉快なユニットたち
□一話・光の剣士と偉大なる騎士王
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「隊長ー!この資料どうしたらいいですかー?」
「あぁ、それなら向こうに…」
「第二部隊の人数これで合ってますか」
「あと五十人追加される予定になった」
「隊長ーιゴードンさんお酒のみ始めちゃいました…」
「そうか、ならゴードンに『今すぐ酒を飲むのをやめないと減給にする』と、私(わたし)が言っていたと伝えてくれ」
「分かりましたっ!ゴードンさ〜ん!!」
「……。はぁ…」
隊長と呼ばれた人物は、美しい青空の下、正に軍事演習うってつけの快晴には似合わない険しい顔で少し隈の出来た目を閉じてため息をついた…。
(全く……。いくら年に二回の合同演習だからって気を抜きすぎだろ…。)
ドラゴンエンパイアの帝国との緊張状態が解消された今、確かに気を抜くことも大事ではあるが……
「…。いくら演習とは言え、相手は帝国…。せめて重傷患者が増えないよう気を付けなければ…」
「相変わらず隈が取れてないな[隊長殿]?」
「……。ガンスロットか…」
「どうだ?今年の卒業生たちは…」
「駄目だな…あれは。過去最低かもしれん…」
「フッ、相変わらず厳しいな」
苦笑いのガンスロットに[隊長殿]もといブラスター・ブレードは頭を振る。
「もしもの時に動けないようでは、それこそ騎士失格だと思うがな」
「ごもっとも…」
ガンスロットは大袈裟に肩をすくめて言う。
もっとも、見込みのある者は少なくはないのだが…
「それにしても……」
「?」
ガンスロットはブラスター・ブレードの顔を見ながら考え込むように顎に手を添えた 。
「いつも思うが、お前…何でアルフレッド様と話すときと部下や同僚と話すときとで話し方が変わるのだ?」
彼と騎士王が親友であることは皆が知っている。
しかし、かの騎士王が彼と本当の意味で仲むつまじく話すところを見た者は誰一人としていない。
「……。あれは、自分で決めた誓いだ。あの方は王だからな。それに…」
「?」
「いや、何でもない。気にしないでくれ」
「…そうか。そういえば…今アルフレッド様を探しているのだが……何処に居るか分かるか?」
よくよく見ると、ガンスロットが手に持っているのは資料……。
「あぁ。あの方なら……」
ブラスター・ブレードは困ったように笑うと、空を仰ぎ見た。
「まだ、自室で書類とにらめっこ中だろうな……」