リヴァロさんと愉快なユニットたち

□三話 闇との邂逅
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「っ!!ここまで酷いとはな……」


目的地までたどり着くことので来た俺たちは、その惨状の酷さに息を呑む。

仲間たちは倒れ伏し、中にはすでに息の無い者たちも……。


「酷いなんてものじゃない!!もしかしたら、第一部隊が…っ」


そう悲痛な声をあげたアルフレッド様の隣で、俺は静かに仲間の冥福を祈るしかなかった。


「ワシらのところは大半がドラグナイトで構成されておったからな。何とか離脱はできたが……」


オーバーロードの部隊はロイヤルパラディンの半数を連れて戦線を離脱したらしい。

だが…。それでもこの地に残って戦うと言い出した者も居たようだ…。


「とにかく進まなければ!」


「その必要な無い」


「っ!!」


不意に聞こえたその声は、あの日と変わらないままで……。
ただ、冷たさだけがその言葉に針のような鋭さを宿していた。


「……。ユーノス…」


俺がその名を呟くと、鋭い双眼を光らせた。


「っ!その名で呼ぶなっ!!ブラスター・ブレードっ!!!」


ユーノス…否、ブラスター・ダークは剣を抜く。

思い出したくないとばかりに放たれた言葉に、俺は…なにも言わなかった。


…。いや、なにも言えなかった。


「っ!アーメスッ!!」


ダークの刃が首へと近付く、しかし懐かしいその動作に俺は薄ら笑いさえ浮かべている。


不思議なものだ。


命を狙われていると言うのに…。


キィィィィン……。


「っ!!!」


俺は片手で刃を受け止める。
昔からの治っていない刃をややしたに向けてしまう癖は、心の中では戦いに消極的である証拠だった。


「変わらねぇな……。相変わらず。………。そんなに俺が憎いのか?」


あの日と同じ話し方で言葉を放てば、こいつは直ぐにアツくなる。


「当たり前だっ!!お前はっ…お前はぁっ!!」


ギリギリと剣を押し込むダークの瞳には深い闇が見える…。

嫉妬、羨み、妬み……


だが…………。


「俺は、お前が嫉妬するほど良い奴なんかじゃない……」


「黙れ…」


「黙らないさ。俺はお前が強いやつだと知っている。純粋なのは危ういがその分伸びが良いと言っていただろう?」


それは、俺には無い純粋な憧れや強さへの思い……。


「っ…。俺は…。あんたのもとにいても強くなれなかった」


(貴方が……。強すぎたから……
俺なんて、足元にも及ばなかったんだ…
なのに、騎士王も俺を貴方の元に置いた……。
俺はずっと苦しかったんだ。
周りから比べられて…
どんなに頑張っても貴方にたどり着けないのが悔しくて)


「誰かと比べられて蔑まれる事なんてお前にはなかったんだろうなっ!!ブラスター・ブレードっ!!!」


「……何だ。そんなことだったのか」


「っ!!そんなこと…だと!」
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