リヴァロさんと愉快なユニットたち

□「happyhalloween♪」
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時期は巡りめぐって収穫祭間近…


そんな中、王立図書館には巨大な水晶の前に人が集まっていた。


「あっちじゃハロウィーンかぁ…」


「彼らもうまくやっているようだな」


彼らと言うのはこの水晶から見える複数の人。


その姿は、言わずもがな「先導アイチとその仲間」である。


「良いなぁ…。僕らのところじゃ収穫祭はあってもハロウィーンとか無いからね」


「そもそも、似たようなものじゃないのか?」


「うーん……。分かんないや」


「おいおい…」


騎士王ことアルフレッドはそう言いながらじっとアイチたちを見つめている。


アイチたちは普段着ないであろう衣装を着て楽しそうだ。


その中には、リヴァロの先導者も居る


「僕らもやれないかな…?」


ぼそりと呟かれた言葉に隣にいたブラスター・ブレードは目を見開く。


「やんのか?」


「やりたいっ!」


ほぼ即答


ブラスター・ブレードはいつもの「子供か」とは言わずに、考えるように水晶を見た。


どうやら珍しく彼もやりたい様子を見せている。


「出来なくはないが……館長がいないことには……」


「呼びました?」


「うぉう!隣に居るなら言え!!心臓に悪い!!」


「ずっと近くにいたのに気付かれなかった私の気持ちも考えてくださいよ……」


珍しく、拗ね気味の館長ことリヴァロは水晶を見ながらむーっとしている。


「ご、ごめんなさい。館長様」


「許しませんよー!君たちには休暇もかねてこうしますっ!」


いたずらを企てた子供のような笑顔でリヴァロは指をならす。


二人はまずいと思って逃げ出すが時すでに遅し。


パチンという音と共に二人の姿は一瞬にして子供に変わった。


「うぉっ!?」


「わぁっ!?」


勿論いきなり子供になったためにバランスがとれなくなった二人はお互い頭をぶつける。


ゴチンという鈍い音が響く。


リヴァロはそんな様子を面白そうに眺めるだけ……。


「っ〜〜!!」


「い、いたい」


勿論子供の姿になってるため声は高く、ブラスター・ブレードの睨みも怖くない。


アルフレッドに限ってはほぼ女の子と間違えてもおかしくないだろう…。


「それじゃ。収穫祭もといハロウィーン、楽しんできてくださいね♪」


「このやろっ!」


ブラスターは仕返しとばかりに脛を蹴りにかかるがひょいとかわされ首根っこを捕まれる。


「はーなーせーっ!!」


「往生際が悪いですねぇー。クソガキ君」


「誰がクソガキ君だ!!変態!!ロリコン!!」


「私はロリコンでも変態でもないですよ?ブラスター・ブレード」


「アーメス。しょうがないよ、こうなったら収穫祭このままで出なきゃいけないし…」


(というかそっちの方が大変なんだけど……)


「始まりの祝儀もあるのにどうしたら………。」


「それなら、私が変わっておきますから安心してください」


((あ、安心しろって言われても……))



「わ、分かった。元に戻らないことにはどうしようもないし、収穫祭は館長に一任……ということで良いか?」


高い声に似合わない話し方でブラスターは頷く。


「あー、そうです。二人は子供なんですから子供らしくしてくださいね?」


「こ、子供らしく…?」


「アーメスには無理そー」


(無理そうと言うか……無理だ。)


(もう、昔どんな言葉遣いで話していたのかすら思い出せないくらいなのに…
今さら戻れなど……。)


そんなブラスターもといアーメスの思いとは裏腹に、子供になれたのが新鮮なのかアルフレッドははしゃいでいる


そんな姿に呆れながらも、アーメスは笑っていた。


「こらこら。そんなにはしゃいでいると怪我するぞ」


「ダイジョーブ!怪我なんかしないよ?」


「その慢心が怪我のもとになるんだ。気を付けていけよ」


「ふふふ。まるで遊びたい盛りの弟をいさめる兄のようですね?」


「うるさい。というか、これ何時までこの姿のままなんだ?」


「収穫祭が終わるまでです♪」


「収穫祭が終るまで……って!?3日もあるじゃないか!!?」


「そうですよ?」


「いや、「そうですよ?」じゃねーよ!!仕事どーすんだっ!!」


「他の人に任せましたし、機密の物は私が何とかしておきました」


「……。」
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