小説

□幸運のアイテム
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『シャドウ』

『マリア、どうした?』

呼ばれて振り向くとそこにはマリアがいた。マリアとは、だいぶ一緒に暮らしていたが、初めて会ったときのシャドウの第一印象は金色の長髪に青い瞳小柄な体型の女の子だった。しかし案外積極的な明るい女の子だった。

彼女はマリア・ロボトニック
シャドウを造り出した
プロフェッサーの孫娘だ
『シャドウ!はい、コレ』
『?なんだコレは』

『クローバーっていうらしいの!』

『クローバー?』

手渡されたそれは紙を切って緑色で色塗りをして張り付けたような作り物だった。

『本物じゃなくて、私が紙で色を塗って作った物なんだけどね』

と少し、はにかみながら マリアは言った。
マリアはクローバーを植物の本で見て知ったそうだ、普通は三つ葉らしいが四つ葉の物はめったにないらしい。

『四つ葉のクローバーは幸運のアイテムなんだって、』

『幸運のアイテム?』

『そう!だからシャドウにあげるね、手作りだけど』
『ありがとう、マリア』

マリア手作りの四つ葉のクローバーを手に取ったシャドウ、するとその手をグッとマリアは握りしめた

『マリア?』

『・・・・シャドウに幸運が訪れますように』

しばらくマリアはシャドウの手をしっかり握っていた。

『これで願いが叶うといいなぁ』

『マリア・・・・』

『いつかシャドウと一緒に本当の四つ葉のクローバーを見つけたいよ』

『見つけに行こう。マリア』

シャドウがそう言うと
マリアは、パッと顔が明るくなり

『ありがとう!シャドウ!じゃあ約束だよ?』




・・・・

・・・・・・・!


・・・・!


「シャドウ!」

ハッとして立ち上がると そこにはルージュがいた。窓の外を見るともう明け方のようだった。

「夢・・・・」

シャドウは買い物を終えた後に食事もせずに結局寝てしまったようだ。

「シャドウ、仕事の時間よ!行くわよ!」

ルージュはシャドウを迎えに来たようだった。
あれは夢だったのかと少しブルーな気持ちになってしまったが、わざわざルージュに手間を掛けさせてしまった事を考えると急がなければと直ぐに準備をしに行く。
「わかった。準備をするから待っていてくれ」

そう言うシャドウにごゆっくり〜なんて言う、本当はただ起こしに来ただけだが支度をしに行ったシャドウを待つ事にしたルージュ

「まったく今日に限ってどうして遅れるのかしらねぇ?」

ぶつぶつと文句を言うと床に何かが落ちていると気づいた。

「・・・・あら?何かしらコレ?」

ルージュは床に落ちていた物を拾った。

「四つ葉のクローバー?アイツこんなのに興味あったっけ。」

結構可愛いところあるのねーなんて言いながらシャドウをからかってやろうか?とも考えるルージュであった。

end・・
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