dream
□はじまり
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ある時、一通の手紙が届いた。
「百ヶ咲様
急なお便り失礼いたします。
私、荻原と申すものですが、百ヶ咲さんの噂を聞き、〜(中略)〜どうか、お願いいたします。」
どうやら私の母宛の手紙だった。
きっと死んだことを知らずに藁にもすがる思いで書いたのだろう。
この手紙の内容は【お祓いの依頼】見たいなものだった。
私の父は神社の神主で母が祓い人だった。
なにより、母は名高い方で私の自慢の母。
それ故に、こういったお仕事の手紙が多々届くのだ。
一応、母の力を色濃く継いだ私は時折、母と偽ってこの仕事をこなしている。
まぁだから、施設などに入らず、一人で暮らすことができているみたいなものだが…。
そして今日も仕事へと出掛けた。