コラソン&ドフラミンゴ×ロー

□突発コラドフロ
1ページ/1ページ

「梅干し入れんなって言ってんだろっ!」

「んなこと言ったって、おにぎりに梅干しは定番だろ?」

 春の陽気は暖かく、数日前まではコートを着ていたのが信じられないと思う。
 例年に及ばず、今年も桜の満開の時期は雨だと言う。
 それならそれで、雨で散る前に花見をしようと言ったコラソンに、コラソンとドフラミンゴは朝早くから弁当を作っていた。

「そうキャンキャン喚くな。折角の桜だ。ゆっくり楽しめよ、ロー」

 ドフラミンゴに言われて、ローは食べかけの梅干しおにぎりをコラソンに渡し、鮭の切り身に齧りつく。
 薄ピンクというよりは白に近い花びらが、風に吹かれてひらひらと舞い落ちる。
 あと二、三日で満開を迎えて一番の見時なのだろうが、これはこれで美しいと思った。

「なァ、おれも酒飲みたい」

 裏庭に植えられている、昔からある桜の木。
 誰にも邪魔されない静かな花見は、普段よりもローを開放的な気分にさせてくれた。

「おい、行儀が悪いぞ」

 芝に敷いた大きなシートの上でごろんと寝転がったローが、唐揚げを咥えてドフラミンゴとコラソンを見上げる。
 秘蔵だと言って酌を交わしている二人は上機嫌だから、今日くらいはハメを外してもいいだろう。
 そう思ってローは言ったのに、意外にもお堅い二人はローから酒を隠してしまった。

「ケチ」

「クスッ。もう少し大人になったらな」

 二十歳まであと一年。
 それまでは絶対に飲ませないつもりなのだろう。

「大人になった時の楽しみとして取っとけ」

 コラソンとドフラミンゴの言葉にローはため息を吐き、髪に落ちてきた花びらを掴む。

「もう子供じゃねェ…」

 青い空に桜が映える。
 桜の花びらにキスをしたローは、ゆっくりと起き上がって二人の唇を奪う。

「おい…」

「大胆だなァ、ロー」

 暖かな風がローの髪を揺らし、脱ぎ去った上着とローの香りをコラソンとドフラミンゴに運んだ。

「おれ、もう子供じゃねェから…」

 腕を伸ばして二人に抱きついたローは、今度は試すような深いキスを二人に送る。

「酔ったことにして抱いてくれ」

 呟かれたローの切なる願いに、二人は一瞬だけ目を見開いたあと、ニッと笑みを浮かべたのだった。







END

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ