コラソン&ドフラミンゴ×ロー
□突発コラドフロ
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「梅干し入れんなって言ってんだろっ!」
「んなこと言ったって、おにぎりに梅干しは定番だろ?」
春の陽気は暖かく、数日前まではコートを着ていたのが信じられないと思う。
例年に及ばず、今年も桜の満開の時期は雨だと言う。
それならそれで、雨で散る前に花見をしようと言ったコラソンに、コラソンとドフラミンゴは朝早くから弁当を作っていた。
「そうキャンキャン喚くな。折角の桜だ。ゆっくり楽しめよ、ロー」
ドフラミンゴに言われて、ローは食べかけの梅干しおにぎりをコラソンに渡し、鮭の切り身に齧りつく。
薄ピンクというよりは白に近い花びらが、風に吹かれてひらひらと舞い落ちる。
あと二、三日で満開を迎えて一番の見時なのだろうが、これはこれで美しいと思った。
「なァ、おれも酒飲みたい」
裏庭に植えられている、昔からある桜の木。
誰にも邪魔されない静かな花見は、普段よりもローを開放的な気分にさせてくれた。
「おい、行儀が悪いぞ」
芝に敷いた大きなシートの上でごろんと寝転がったローが、唐揚げを咥えてドフラミンゴとコラソンを見上げる。
秘蔵だと言って酌を交わしている二人は上機嫌だから、今日くらいはハメを外してもいいだろう。
そう思ってローは言ったのに、意外にもお堅い二人はローから酒を隠してしまった。
「ケチ」
「クスッ。もう少し大人になったらな」
二十歳まであと一年。
それまでは絶対に飲ませないつもりなのだろう。
「大人になった時の楽しみとして取っとけ」
コラソンとドフラミンゴの言葉にローはため息を吐き、髪に落ちてきた花びらを掴む。
「もう子供じゃねェ…」
青い空に桜が映える。
桜の花びらにキスをしたローは、ゆっくりと起き上がって二人の唇を奪う。
「おい…」
「大胆だなァ、ロー」
暖かな風がローの髪を揺らし、脱ぎ去った上着とローの香りをコラソンとドフラミンゴに運んだ。
「おれ、もう子供じゃねェから…」
腕を伸ばして二人に抱きついたローは、今度は試すような深いキスを二人に送る。
「酔ったことにして抱いてくれ」
呟かれたローの切なる願いに、二人は一瞬だけ目を見開いたあと、ニッと笑みを浮かべたのだった。
END